チェック・ポイント、柔軟なソフトウェア構成が可能な「Software Blade」を発表IPS機能を強化

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは、ハードウェア条件や必要なセキュリティ対策に応じて柔軟なソフトウェア構成が可能な「Software Blade」を発表した。

» 2009年03月10日 17時35分 公開
[ITmedia]

 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは3月10日、ハードウェア条件や必要なセキュリティ対策に応じてソフトウェアを柔軟に構成できるサービスアーキテクチャ「Software Blade」を発表した。Software Blade対応の「Check Point R70」を年内に発売する。

 Software Bladeは、セキュリティ機能を動作させるハードウェアのCPUコア数と利用するセキュリティ対策ソフトウェアを柔軟に組み合わせるもの。同社のアプライアンス「VPN-1」や「Power-1」のほか、他社のアプライアンスやサーバ、VMwareプラットフォームでも利用できる。選択できるセキュリティソフトウェアは、ファイアウォールやIPS(不正侵入防御)、VPN、ウイルス/スパイウェア対策、URLフィルタリングなど。さらにこれら機能を統合管理するコンソールやネットワークアクセラレータ、VoIPなどの機能も提供する。

ハードウェアCPUのコア数から利用する機能(ブレード)からシステム構成を決定する。セキュリティ機能をブレード型モジュールに見立てて、追加・変更を柔軟にできる

 従来のUTM(統合脅威管理)型アプライアンスでは、利用可能なハードウェア条件やセキュリティ機能に制約が伴ったが、Software Bladeではユーザーが求める機能や性能に応じて数十パターンの構成が選択できる。また、導入を容易にできるよう10種類程度の事前構成オプションも用意する。

 Software Bladeの提供に併せ、IPS機能も刷新した。Check Point R70で利用可能なIPSエンジンでは、2000種以上のセキュリティ設定が可能。現行製品のR65に比べ標準設定におけるスループットを63%増の最大10Gbpsとしたほか、セキュリティ機能のほぼすべてを利用する場合では2.2Gbpsになる(Power-1アプライアンスでの動作)。

 管理面では、例外条件の指定といった使用機能ごとにユーザー権限を設定できるようにしたほか、しきい値を設定することでトラフィック状態に応じたIPSのオン/オフの自動切り換え、グラフを利用したリポーティング機能なども搭載する。

 Check Point R70は海外では発売済みで、国内では数カ月以内に提供を始める計画。価格は構成によって大きく異なり、小規模構成では数十万程度だが、大規模な構成では数百万円になるという。

2009年はアプライアンスが柱

杉山氏

 会見した杉山隆弘社長は、2008年業績を説明。世界的な不況下でも欧州・アジア市場での堅調な販売が貢献したことで増収増益を達成した。杉山氏は特にキャッシュフローの確保に努めた点を強調した。「厳しい経済環境下こそ、企業システムを保護するセキュリティベンダーには安定経営が求められる。われわれは長期にわたってユーザーを支援する健全な財務体質を確立している」と述べた。

 2009年は、Software Bladeなどアプライアンスおよびソフトウェア製品の拡充に注力する。中堅・中小企業向けから通信事業者までの利用に対応した製品ラインアップを展開するほか、月内に吸収合併するNokiaのセキュリティ事業との統合を推進する。

 「Nokia製品のサポートも万全の体制で引き継ぐ。次世代製品からはわれわれの製品との統合を本格化させていく予定だ」(杉山氏)

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