丸投げして使えないサービスを作るぐらいなら、発注者責任を意識し、具体的な要求定義ができる仕事の仕方を考え出そう。
聞いた話でしかないが、ある自治体で70万〜80万円程度のホームページ作成業務であるにもかかわらず、8社ほどの企業に相見積りを求めるということがあったそうだ。もちろんこの金額では、入札を行う必要性があまりないので相見積りでOKなのだが、「何で8社も必要だったのか」といささか疑問を覚える。なぜなら、参加させられる企業は、次のように言いたいはずだからだ。
「我々も住民の1人であり納税者なのだから、相見積りによる競争の必要性は理解できる。しかし、見積作業にはそれなりの人件費も手間もかかるので、小規模の発注案件では必要以上の競争は控えて欲しい」
つまり、小規模案件で相見積りするなら、2社ないし3社とするのが常識的ではないか、ということだろう。確かに、見積りはタダというのが一般的だから、負けた社にとってみれば人件費が無駄になるというのは事実だ。「行政なら少しは配慮しろ」と言われても致し方あるまい。ところで、行政において契約を結ぶ相手を選定する方法は以下の3つである。
「入札」とは、一般競争および指名競争において、金額を記入した紙(かつては札)を箱に入れる行為を指すが、「競争入札」とすると一般競争ないし指名競争という意味になる。なお、競争入札では予定価格を下回ったうえで最も安い札を入れた社(or者)と契約をしなければならないとされている。
今回話題にした「相見積り」は、行政では随意契約に当たる。見積りをもらったからといって契約するかどうかは別判断なので「随意」となるようだ。ちなみに、長崎県庁では100万円未満なら相見積りで済ませ、100万円を超えたら競争入札と定めている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.