アダルトなどの不正請求が増加、IPAが注意を呼び掛け画面が簡単に消えない

PCの画面にアダルト広告を表示させて、不正に料金を請求する「ワンクリック不正請求」の相談が増えている。

» 2009年04月02日 19時35分 公開
[ITmedia]

 情報処理推進機構(IPA)セキュリティセンターは4月2日、3月の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を発表した。ワンクリック不正請求の相談件数が増加し、累計で1万件を突破した。

 ワンクリック不正請求は、アダルトサイトなどでユーザーを巧妙に誘導し、不正に会員登録させるなどをして料金を請求する手口。アニメやゲームなど、アダルト以外のサイトでも多数確認されている。

ワンクリック不正請求の相談件数(2008年1月〜2009年3月)

 IPAによれば、従来はユーザーが不正請求を行うサイトにアクセスして「無料」や「サンプル」などのボタンを押すと、不正プログラムがインストールされ、PC起動時に請求画面が表示されるなどの手口が一般的だった。

 しかし、2月には不正プログラムを使用せずにPCの設定を変更してアダルト画像をデスクトップに表示させたり、PC起動時に自動的にWebブラウザでアダルトサイトへ接続したりして、ユーザーへ料金の支払いを迫る手口が確認された。従来の手口はウイルス対策ソフトウェアなどで駆除できるが、新たに見つかった手口はウイルスではないため、駆除できないという。

 新たな手口を回避するには、Webブラウザでアダルトサイトに自動的に接続する設定を解除する。具体的には、Windowsの「システム構成ユーティリティ」を利用して、追加されたスタートアップ項目を解除する。これにより、アダルトサイトに接続しなくなるが、設定情報を完全に元へ戻すには、レジストリを編集する必要があり、誤った操作をすることでPCが正しく動作しなくなる恐れもある。

 こうした不正プログラムは、ダウンロード時にユーザーへの警告画面が表示されることが多く、内容確認を徹底すればインストールされる危険が減る。警告画面に表示される内容をよく読み、安易に実行ボタンを押さないことが大切だIPAでは指摘。また、アクセスするサイトに不審な内容が記載されていないか確認を徹底する必要があるという。

 3月のウイルス検出数は、前月比7.7%減の約11万9000個で、届出件数は同14.4%増の1674件だった。検出数トップは「W32/Netsky」の約10万5000個だった。不正アクセスの状況は、届け出件数が20件で、被害があったものは13件。内訳は不正侵入が4件、不正プログラムの埋め込みが9件だった。

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