クラウドは21世紀のメインフレーム――ヴイエムウェアの三木社長

ヴイエムウェアは、仮想化ソフトウェア「vSphere 4」を紹介するユーザー向けイベント「VMware 仮想化サミット2009」を東京で開催した。

» 2009年06月10日 08時00分 公開
[ITmedia]

 ヴイエムウェアは、仮想化ソフトウェア「vSphere 4」を紹介するユーザー向けイベント「VMware 仮想化サミット2009」を5月29日に東京で開催した。日本法人の三木泰雄社長や、VMwareのサーバビジネス部門担当副社長のラグー・ラグラム氏が基調講演に登壇し、仮想化ソフトウェアの進化により、Intelなどの標準的なハードウェアと仮想化ソフトを使うことで、メインフレームと同様の機能を果たせると述べた。

仮想化技術の性能向上を強調した三木社長

 三木氏は「クラウドコンピューティングへのユーザー企業の期待が変わってきた。コスト削減を実施するにあたり、よりミッションクリティカルな領域を対象にし始めている」と指摘する。

 それに応じるように、仮想環境でのコンピュータの処理能力もここにきて飛躍的に伸びてきているという。例えば、メモリは現在仮想マシン当たり64Gバイトだが、2009年中にこれが255Gバイトにまで伸びる。CPUは現状の4バーチャルCPUから最大8バーチャルCPUに増えるという。ネットワークも毎秒9Gバイトから09年には30Gバイトになるといわれている。

 こうした技術の進化により、処理できるトランザクション数は毎秒9000、60000IOPS(1秒当たりの入力/出力)に上る。「こうなるとデータベースの実行環境として仮想化環境に問題がないことが分かる」という。

 「クラウドコンピューティングは21世紀のメインフレームになる」(三木氏)

 この日同社が紹介したvSphere 4は「VMware Infrastructure」と呼ばれていたサーバ仮想化ソフトウェアの新版だ。以前のVMware Infrastructure 3.5と比較して、30%多くのサーバを統合でき、ストレージのキャパシティ効率を50%高められる。電力消費量も20%削減できるなど、大幅な性能向上を図った。

ラグー・ラグラム氏

 VMwareの2008年の成長率は19億ドル。さかのぼると、2007年は13億2600万ドル、2006年は7億ドル、2005年は3億8700万ドルとなっており、順調な成長曲線を描いている。

 三木社長はサーバ管理の仮想化を進めるだけでなく、さらに「PCを買うとWindowsではなくVMwareが搭載されており、ユーザーが仮想デスクトップを通じてPCを利用する世界を目指している」と話し、クライアント分野への進出も見据えていることを明らかにした。

過去のニュース一覧はこちら

関連ホワイトペーパー

仮想化 | VMware | サーバ | クラウドコンピューティング


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ