「Snow Leopard」のセキュリティは企業にとって十分か?Windows 7と渡り合えるのか(1/2 ページ)

Appleは9月にMicrosoftは10月にそれぞれOSの新バージョンを発売する予定だ。Appleは新OS「Snow Leopard」をWindowsよりセキュアだとうたっているが、本当だろうか。

» 2009年07月01日 07時13分 公開
[Don Reisinger,eWEEK]
eWEEK

 企業ユーザーにとって、セキュリティは常に大きな関心事だ。多くの企業では、毎日のように社外に出歩く従業員のノートPCにも重要な業務データが保存されている。また、悪質なハッカーは企業の機密データにアクセスしたり、情報を盗んだり、あるいは単に混乱を引き起こしたりするために、社内ネットワークに侵入する策略を絶えず練っている。ITマネジャーはこのことを念頭に置き、優れたセキュリティソフトウェアを採用するとともに、従業員の安全とセキュリティについて常に心配しなければならない。これは大変な苦労だ。

 OSのセキュリティが優れていれば、企業はWebの危険に立ち向かい、発生した問題に対処しやすくなる。これはそれほど単純なことではない。完全にセキュアなOSなど存在しないからだ。とはいえ、比較的セキュリティに優れたOSは存在する。

 そういったOSの1つとして期待されているのが「Snow Leopard」だ。近くリリースされるAppleの最新OSはAppleファンを興奮させている。同社はこの新OSについて、数々の新機能、64ビットアーキテクチャ、俊敏なレスポンス、優れたセキュリティなど大幅な改善を施したと宣伝している。Appleによると、同OSはWindowsよりもセキュアであるのみならず、コンシューマー分野とエンタープライズ分野の両方のユーザーの安全を確保する新機能を備えているという。

 しかしそれは本当なのだろうか。Snow Leopardは、企業向けOSに求められるセキュアな環境を本当に提供するのだろうか。このOSは、MicrosoftおよびWindows 7と渡り合うことができるのだろうか。

 検証してみよう。

ユーザーベースの差

 Appleと同社の支持者たちは、ことあるごとにMicrosoftのセキュリティ問題を指摘する。彼らによると、Microsoftは企業およびコンシューマーに対してしかるべきセキュリティを提供していないという。この主張に反論するのは難しい。Windowsは当初から、おびただしい数のセキュリティ問題の影響を受け、その多くは企業にとって深刻な問題となってきた。それなら企業はWindowsを使うのをやめて、Mac OS Xに移行すればいいではないか、という意見が出てくるのも当然だ。しかしよく考えてみよう。

 実際、Mac OS Xがどの程度セキュアなのかは分からない。悪意を持ったハッカーやマルウェアの作者が違法行為を働く理由は1つ――金を得ることだ。彼らが金もうけをしようと考えた場合、その目的を達する最善の方策は、最もユーザーの多いOSをターゲットにすることだ。OS市場ではWindowsが圧倒的な勢力を築いていることを考えれば、より多くの攻撃者がMac OS XよりもWindowsを狙うのは当然だ。これは簡単な経済学だ。

 つまり、Mac OS Xの方がセキュアであるという主張は、やや的外れだということだ。同OSは、Windowsが経験してきた現実問題に直面したことがない。また、Appleが5月に67件のパッチで自社のOSを修正せざるを得なかった事実を見れば、Mac OS Xに深刻な影響を与える問題が隠されていると考えられないこともない。

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