現場で効くデータ活用と業務カイゼン
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» 2009年09月10日 08時00分 公開

FileMakerで医療機器販売を支援:自家製DBを、CRMにまで高める――エイアンドティー (2/2)

[岡田靖,ITmedia]
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顧客情報を起点とした営業ワークフローや日報で業務の確実性を向上

 システムの機能を、ざっと見てみよう。

 例えば営業ワークフローは、案件発生から売上計上までに必要な各種書類を電子化して、顧客情報に紐付けして管理するようにしたものだ。db-proが開発し、アットウィルが大きく手を加えた部分でもある。

 それまでは、書類のひな形をファイルサーバ上に置いておき、各自のPC上で記入して提出するようにしていた。だが、過去の案件で使った書類を使い回して書き換え漏れが生じ、書類に不備が出るなどの問題があった。これに対し、FileMaker上に構築したワークフローでは、案件の進ちょくに応じて必要な書類が出てくるようになり、誤記を減らすだけでなく、段階ごとの情報も確実に把握できるようになったという。

 「エイアンドティーおよびアットウィルは全事業所でISO9001認証を取得しており、定期的に監査を受けていますが、このワークフローの存在は、監査の際に高く評価されるポイントとなっています」(田村氏)

ワークフローの起点となる案件申請画面 ワークフローの起点となる案件申請

 そして、営業やCSの日報もFileMakerで管理している。以前はグループウェア(サイボウズOffice)上で日報を管理していたが、顧客と接する部署の日報は顧客情報に紐付けて管理した方が適切だと考え、日報の役割のみ、こちらに移行したという。これも、データベース上で顧客施設を選び、そこから日報を作成するという作業の流れになっており、確実に顧客情報と日報がリンクするようになった。

訪問先を間違えることのない日報作成画面 訪問先を間違えることのない日報作成画面

 製品カタログもFileMaker上のデータベースに登録されている。このカタログには、製品写真や詳細な仕様はもちろん、営業やCSが現場で得た情報も登録できるようになっており、田村氏らTS技術ユニットや開発部門の業務にも役立つ。このように、db-proが作ったシステムを基礎とし、ユーザー自身が手を加えていくことで、顧客情報システムは、今や多彩な機能を持つに至ったのである。

“生”の情報も登録される製品カタログ “生”の情報も登録される製品カタログ

 「db-proのようなインテグレーターに出会えたからこそ、我々もここまでできたのだと思いますね」と田村氏は話す。それは同時に、FileMakerの存在があったからこそ、とも言えるだろう。

 「FileMakerは、我々の思っていたことが実現できます。単純にいうと、“ハマってしまった”ということです。ただし、システムの完成度は、まだ自分としては半分くらいだと思っています。例えばトラブル情報の集計を行うなど、蓄積してきたデータの活用をしたい。とはいえ、今後も挑戦していけば自分でできそうだな、と思えるのが、FileMakerの良いところです。おそらく、良い意味で“アバウトに使える”からでしょう。ほかのデータベースについても、会社で講師を呼び教育してもらった経験がありますが、『こうしなければ動かない』というルールを覚えないと使えない印象を受け、自分たちで手を加える気になれませんでした」(田村氏)

再合併を通じて本社にもFileMakerの利用が広まり、一本化の動きも

 2009年7月、エイアンドティーはアットウィルを吸収合併した。さまざまな経営環境の変化に迅速に対応するため、経営資源の集約化や効率的な人員再配置を行うのが目的だ。

 合併の結果、顧客情報システムは2本立てとなった。アットウィルが担当してきた単体装置の顧客はFileMaker、以前からエイアンドティーが担当している自動化システムの顧客はAccessで作られたシステムで管理されている。業務効率化のためには、顧客情報を一元化するのが望ましい。そこで、どちらか一方に合わせるか、あるいは新しいシステムを作って吸収するか、といった案が出ているという。

 「旧アットウィル側のシステムは、すっかり業務の流れに食い込んでいるため、容易には離れられません。しかも、旧エイアンドティー側の社員も、徐々にこちらのシステムを使うようになり、FileMakerを使いたいという声も増えてきました。Accessを開くユーザーは少なくなってきているようです。既にFileMakerを利用しているユーザーが、さらに手放せなくなるよう、機能の追加や改良を進めたいと考えています」(田村氏)

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