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» 2009年09月29日 08時00分 公開

GoogleやIBMの未来を方向付けた「顧客視点の事業定義」朝のカフェで鍛える 実戦的マーケティング力(1)(2/3 ページ)

[永井孝尚,ITmedia]

なぜ事業の定義が必要なのか?

 久美はまだ半分納得できない、というような顔をして首をかしげる。

久美 うーん、「事業とは何か」を考えることが必要なのは、頭では分かるんです。でも、なんでそのように考えることが必要なのか、まだ十分に納得できていないんですけど。

 この考え方次第で、社員の行動が変わるからだよ。例えば、ある化粧品会社は、自社の事業を「化粧品の製造販売」ではなく、「ライフスタイルと自己表現、そして夢を売ること」って定義しているんだ。

久美 それって、素敵な考え方ですね。

 そうでしょ。最初の「化粧品の製造販売」と考えるのは製品中心の考え方だよね。でも、将来化粧品よりももっと効果的な美容方法が生まれるかもしれない。

久美 そういえば、最近、いろいろな美容方法がありますね。

 もし化粧品会社が「化粧品」にこだわっていると、化粧品に替わる新しい美容方法が主流になると、会社の事業が衰退してしまう。でも、「ライフスタイルと自己表現、そして夢を売ること」と考えると、新しい美容方法は会社を発展させるチャンスになる。これは製品ではなく顧客中心に考えているからだ。

久美 そういえばわたし、セールスになりたての時は、一生懸命、会計ソフトの機能を覚えてお客さんに説明していました。でも、機能を説明してもなかなか売れなかったんですよね。いろいろ考えて、お客さんがその製品を使ったらどうなるか、ということを説明すると、お客さんも興味を示してくれたことが多かったんです。会計ソフトのことばかりじゃなくって、お客さんの業務のことを考えなければいけないっていうことなんですね。

 さすがに察しがいいね。現場のセールスの目線もとっても大事だけど、同時に、久美ちゃんには全社的な目線も持って欲しいんだ。

久美 よく分かりました。なんか、いままで使っていなかった頭をとっても使ったような気がします。

 ははは。そのうち慣れてくるよ。じゃぁ、またやろうか。再来週当たりでどうかな?

久美 ありがとうございます。よろしくお願いします。

 初めての誠とのコーチングは久美にとってとても新鮮だった。このような形でビジネスのことを考えたことはあまりなかった。顧客中心に考える意味を深く考えさせられた。

 その日は一日、久美は自社の事業は何かを考え続けていた。

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