以前のMicrosoftはやりたいことをやり、それでみんながついてくると思っていた。今のMicrosoftはライバルを意識し、そのいいところを取り入れようとしている。
9月22日遅く、GIZMODOが「Microsoftのタブレットマシン試作機」と称するデバイスの記事を掲載した。このデバイスは「Courier」と呼ばれ、手帳のような形をしている。スタイラスで操作でき、7インチのデュアルディスプレイを搭載するという。タブレットの世界に大物が登場することを期待している人にとって、エキサイティングなニュースであることは間違いない。
だがこれは、興味深い傾向(とわたしは考えている)を浮き彫りにしている。MicrosoftがGoogleやAppleのようになってきている、ということだ。かつて業界を征したMicrosoftは今や、ライバルがやっていることをまねるだけではなく、時にはそれを改良する革新的な独自の手法を見出している。これはMicrosoftにとっては新しい考え方で、新しいビジネスのやり方だ。そして皮肉なことに、この方法で同社はさらなる成功を遂げるかもしれない。
MicrosoftのCourierは、同社が「消費者と企業へのソフト提供」にとどまらないビジネスを展開しようとしていることを示す最新の例だ。同社がAppleを見習っていることを示す最新の例でもある。
Appleは、この数カ月間うわさの的になっている期待のMacタブレットをまだ発表していない。だが、MicrosoftがPCビジネスにさらに踏み込んでいるという事実こそが衝撃的なのだ。同社は以前から周辺機器は販売していたが、そこでとどまっていた。コンピュータの販売はDell、Hewlett-Packard(HP)、Acerなどの企業に任せていた。
この仕組みはうまくいき、Microsoftは数十億ドルを稼いだ。だが同社がCourierをリリースすれば、これまでやらなかったことに乗り出すことになる――Appleも近い将来投入するかもしれない優れた「次世代」製品をリリースすることだ。クールなハードはAppleの得意分野だが、今やMicrosoftの得意分野にもなりそうだ。
Appleに倣ったのはCourierだけではない。Windows Mobile 6.5とWindows Mobile 7はこれまでのプラットフォームよりもずっと有力なiPhoneの対抗馬になりそうだ。Microsoftによると、Windows Mobile 6.5はWindows Mobile 6の一部を改良したもので、次の大型リリースとなるのがバージョン7だ。バージョン7は、iPhoneの魅力的な機能と似た機能を幾つか備える見通しだ。ただ、Microsoftはそれがどんなものになるかをあまり明らかにしていない。
それでも、バージョン7がiPhoneを打倒するためのものだということは分かる。このOSを、年内に立ち上げ予定のWindows Marketplace for Mobileが補完することになる。
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