クラウド時代のデータベース新潮流

変化するデータベースクラウド時代のデータべース新潮流(2/4 ページ)

» 2009年10月05日 08時00分 公開
[谷川耕一,ITmedia]

データベースに対応したストレージの仮想化が必要に

 さらに、データベース部分が仮想化できるだけでも不十分だとOracleは言う。ストレージの仮想化は各ストレージベンダーが提供する付加価値機能として、いま最も注目を集めている機能の1つだ。これをうまく活用できれば、情報のライフサイクル管理も可能となり、データ量の増加に柔軟に対応できるようになる。

 当然ながら、クラウドでもストレージの仮想化を活用して効率性と拡張性を得たい。だが、ストレージベンダーが提供する仮想化機能はファイルなどのデータを格納するには十分だが、データベースではその機能を活用できないのだ。そのため、データベースからストレージの仮想化を活用するには、データベースに対応したストレージの仮想化技術が必要だとOracleは主張する。

 例えば、ストレージの仮想化技術を利用し、動的にストレージ容量を追加したり減らしたりしたいとする。通常データベースでは、システム性能を確保するために専用のRAWデバイス形式でストレージを使用する。RAWデバイスの場合には、データの再構成を行わないと追加したストレージを利用できない。

 データがファイル形式であればこの問題は発生しないが、その場合にはデータベースのパフォーマンスが十分に発揮できない。クラウドの大容量、多ユーザーのアクセスの処理を考えれば、RAWデバイスの活用は必須だ。そうなると、クラウドではデータベースのRAWデバイスにも対応するストレージの仮想化技術が必要になるのだ。

 これは、最近流行の圧縮についても同様だ。増加するデータに対応するために圧縮技術を活用することは多いが、この場合もストレージの機能で圧縮を行ってしまうと、データベースからはそのデータにアクセスできなくなることがある。そのため、データベースのデータを圧縮したければ、データベースの機能で圧縮する必要があるのだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ