Twitterで覆るコミュニケーション手法とその先伴大作の木漏れ日(1/3 ページ)

Twitterは実に多くの人がつぶやいており、有名人もゴロゴロいる。実際に利用してみると、Twitterがこれまでの情報のやりとりの手法を覆し、企業のコミュニケーションも変える可能性が見えてきた。対応を誤った企業に未来はない。

» 2010年03月24日 08時00分 公開
[伴大作,ITmedia]

 Twitterに注目が集まっている。随分前に知り合いから紹介され、興味本位で登録した時は、「こんなもの、何の価値があるんだ」と思った。「つぶやく」というコンセプトに違和感を覚えたからだ。しかも、そのころはつぶやいている人はごくわずか。まるで砂漠の真ん中で大声を出して助けを呼んでいる状態だった。しかも、英語で。

 あれからどれぐらい時間が経ったのか思い出せないが、どのホームページでもTwitterという表示が目立つようになり、メディアでも取り上げられるようになった。影響を受けやすい僕は再開しようと思ったが、IDとパスワードを忘れていた(結局、再発見したけど2、3度しかつぶやいていないので結局そのまま放ったらかしにした)。

 後日、別のアカウントで再度登録し直した。Twitter上の様子は大きく変わり、実に多くの人がつぶやいていた。しかも有名人がゴロゴロいる。利用する価値があると感じ、再度チャレンジしている。

なぜ、Twitterにはまるのか

 最大の価値は、有名人の考えが、何のフィルターもかかることなく生の状態で伝わっていることだろう。Twitterの利用者には有名人も多く名を連ねている。中でも、ソフトバンクの孫正義社長は特に目立つ存在の一人だ。

 Twitterを通じて、彼がNHKの「坂本竜馬」の熱狂的なファンであることをはじめて知った。彼は、自らの多彩な交友関係も包み隠すことなく明らかにしている。彼が米国のベンチャー企業であるUstreamを買収したのも、Twitterを通じて知った。それ以外の有名人もさまざまなことをつぶやいているのを目の当たりにして、これは大変なことが起きていると感じた。

 消費者が有名人と直接触れ合うチャンスはほとんどないと断言してもいいだろう。1、2度出会ったぐらいでは覚えてくれないし、直接面会を求めても断られるのがオチだ。だがその障壁は、Twitterを使うことで簡単に乗り越えられる。これが、多くの人がTwitterにはまる大きな動機になるのは間違いない。

 情報の発信側のメリットは何だろう。自己顕示欲の所産だけとは思えない。自己表現の手段は、ほかに幾つもあるからだ。ただし、それらの多くは、編集者の意図が介在する旧来型のメディアである。一時間のインタビューがわずか30秒にまとめられるという不条理の世界だ。つまり、発信者側は常に欲求不満に陥りやすい。

 Twitterでは、こうした欲求不満に陥ることはない。コンテンツを送る側、受ける側にとって、Twitterはある程度の満足感を与えてくれる。お世辞にも「メディアとして完ぺき」とは言えないものの、「ベター・メディア」であるからこそ、これほど普及したのだ。

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