好調なのはデジタルテレビだけではない。テレビとのセット販売により、テレビ市場にけん引される形で市場を伸ばしているのが、テレビ周辺機器である。
その筆頭であるレコーダー/プレーヤー市場では、2008年に決着した次世代規格争いにより、需要が急拡大したBlu-ray Discレコーダーが市場の中心になっている。単価が高く、市場全体では数量ベースでは微増だったが、金額ベースでは大きく伸長した。
また、テレビ周辺のホームオーディオであるホームシアターシステムや一体型サラウンドは、販売店が収益の確保に向け積極的に提案活動を実施していることもあり、テレビ販売の拡大とあいまって需要が拡大している。
一体型サラウンドはテレビとのセット販売が多く、テレビ販売とともに2010年にピークを迎えるだろう。レコーダー/プレーヤーはテレビ購入後の需要も高く、1年後の2011年にピークを迎えると考えられる。ともに生活の必需品ではないため、テレビほどの急拡大はないものの、ピーク後にも一定の需要が発生すると予想される。
ユーザーの音楽スタイルの移り変わりにより、音響機器の市場も大きく変化している。近年、携帯型のデジタルオーディオの普及により、若年層を中心に家で音楽を聴く習慣が少なくなっている。それに伴い、スピーカーやシステムコンポの市場は縮小が続いている。
一方でそのデジタルオーディオもより利便性に優れた携帯電話を活用した視聴スタイルが支持を集め、市場は減少傾向に転じている。2009年はデジタルオーディオや携帯電話の利用者の需要により、好調な販売だったヘッドフォンやアクティブスピーカーが伸長した。
この音楽スタイルの変化は今後も確実に続く。ハードウェアだけでなくCDパッケージの販売も年々減少するなど、デジタルコンバージェンスの影響を強く受けることになるからだ。主流の音楽スタイルに合ったヘッドフォンやアクティブスピーカー、AVコンポーネントのようなある程度ニッチな層を対象とした製品は、今後も堅調な推移を見せると考えられる。その他の製品は厳しい状況が続く見通しだ。
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