日立、中堅中小向け運用管理ソフト「Hitachi IT Operationsシリーズ」を発表情シスを持たない企業のIT管理を支援

日立は中堅中小企業向け運用管理ソフト「Hitachi IT Operationsシリーズ」を投入する。専任の情報システム部門を持たない企業をターゲットに、導入のしやすさ、使いやすさを追求した。

» 2010年10月14日 19時11分 公開
[石森将文,ITmedia]

 日立製作所(以下、日立)は10月14日、中堅中小企業向けの運用管理ソフト「Hitachi IT Operationsシリーズ」を発表した。同日より販売を開始する。

 同シリーズは、サーバ、ネットワーク、ストレージの稼働状況と性能を監視する「Hitachi IT Operations Analyzer(以下、Analyzer)」と、PCセキュリティやソフトウェア資産を管理する「Hitachi IT Operations Director(以下、Director)」からなる。なおDirectorについては、従来はJP1/Desktop Navigationとして提供されていたソフトウェアの新版という位置づけになる。

 企業規模の大小を問わず、セキュリティの徹底やソフトウェアライセンスの可視化、そして自社のビジネスを支えるIT基盤の稼働監視といった分野にはニーズが高い。だが特に中堅中小企業においては、専門の情報システム部門がなかったり、十分なIT投資を行う余裕がなかったりという事情から「必要性は認識しているが、対応が後手となっている」という分野でもある。

 「Hitachi IT Operationsシリーズについては、中堅中小企業に向けて導入のしやすさを追求した」と日立は説明している。具体的には、性能監視時のしきい値やセキュリティポリシーのひな形が用意されていたり、エージェントレスでの監視に対応したりといったことが挙げられる。これらによりユーザー企業は、初期設定や導入作業に時間をかけずとも、すぐに運用を開始できる(ポリシーの変更や、エージェントをインストールしての高度な監視は、おいおい始めればよい)。

 Analyzer、Directorともに操作画面はブラウザベースである。そのGUIは、家電などの一般消費者向け製品を企画する日立グループ内のデザイン本部と連携し設計された。設計段階からユーザーに対するテストを実施し、そこから得られた反応をフィードバックする形で完成度を高めたという。なおGUIデザインは「2010年度グッドデザイン賞」を受賞したほか、Hitachi IT Operations Analyzerについては米国の工業デザイン賞「IDEA 2010」の銀賞を獲得している。

 Analyzerは、事前に定義されたしきい値に従い、障害の予兆を自動検知する機能や、障害発生時にトラブルの根本原因を自動で特定する機能などで、専任の情報システム担当者を持たない中堅中小企業のIT基盤管理を支援する。監視に際して重要となるサーバやストレージ、ネットワーク機器などの構成情報については、各機器の接続・稼働状況を自動収集してグラフィカルに表示する「トポロジカルリストビュー」を備える。

 またDirectorはJP1/Desktop Navigationから引き続き、管理対象となるPCのパッチ適用状況やファイアウォール設定などを可視化する機能を備える。ポリシーに違反しているPCに対しては、ポリシーに沿うよう警告できるほか、ポリシーベースの設定を一括適用することも可能だ。社外へのファイルアップロードや、添付ファイル付きメールの送信、外部記録メディアへの書き込みなども自動検知でき、またこれらの操作はログとして記録される。ハードウェアやソフトウェアの資産状況は自動収集されるほか、ディスプレイなどの周辺機器についてのリース情報などを手動登録して、自動収集した資産情報をひもづけられる。これによりライセンス違反を防止できるほか、必要以上にライセンスを購入してしまうことによる無駄な出費も抑えられる。

 Hitachi IT Operationsシリーズはいずれも、製品サイトから90日間利用可能な評価版をダウンロードできる。試用の結果、購入を決めた場合には、販売パートナー経由でライセンスキーを購入する形となる。価格はAnalyzerが税込25万2000円から、Directorが税込42万円から。

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