日立は中堅中小向け運用管理ソフトの新シリーズ「JP1 Ready Series」を発表。第1弾として、PCのセキュリティ管理を支援する「JP1/Desktop Navigation」を発売する。誰でもすぐに使える簡単さを目指したという。
日立製作所(以下、日立)は9月8日、中堅中小企業向けシステム運用管理ソフトの新シリーズ「JP1 Ready Series」第1弾として、セキュリティ対策の観点から企業PCの管理を支援する「JP1/Desktop Navigation」を発表した。翌9日より販売開始する。
今や中堅中小企業であっても、事業活動にPCを利用する頻度が高いのは言うまでもない。当然、情報漏えいやクライアントセキュリティに対する施策を継続的に実施する必要がある。しかし昨今の経済状況下では、PCの運用管理に、そう大きなコストは掛けられないというのが現状だ。実際に日立としても、「中堅中小企業のシステム運用管理に対する意識は高いが、ツールを利用していないユーザー企業が多い」と分析しているという。日立はJP1/Desktop Navigationをこのようなニーズと課題を抱えた、従業員1000人未満の企業に最適だと位置付けている。
中堅中小企業における導入障壁を下げるため、JP1/Desktop Navigationは、家電など一般消費者向け製品を企画する日立グループ内のデザイナーとJP1の技術者がプロジェクトチームを組み、開発しているという。ユーザーが導入しやすく、運用しやすく、また購入しやすい(価格が安い)製品にするため、ユーザビリティテストや潜在的な想定ユーザーへのインタビューを重ねてきたと解説された。この手法はJP1 Ready Seriesに共通するものとして、今後も継続されるという。
JP1/Desktop Navigationの主な特徴としては、管理サーバにインストールするだけで分散拠点を含めクライアントPCを管理ができることが挙げられる。管理対象のPCに対するインストール作業が不要、つまりエージェントレスで管理できることになる。必要に応じエージェントをインストールすれば、高度な監視(管理者からリモートでパッチを強制適用するなど)も可能になる。
セキュリティやライセンスに問題があるPCが発生した場合、その台数を含め、GUIで操作できるダッシュボード上で確認できる。この画面から掘り下げることで、問題が発生したPCの特定も可能だ。
また、導入後すぐに使えるセキュリティポリシーを標準で実装しており、アンチウイルスソフトウェアの設定状況や使用禁止ソフトの起動抑止、印刷やUSBメモリへの書き込み抑止といった対策をポリシー制定の手間なく徹底できる。加えて、診断レポート機能によりPCのセキュリティ対策の実施状況を確認できるほか、問題が起こりそうな場合には、対策方法までガイドする機能を備える。
現状、JP1 Ready SeriesからJP1へのアップグレードパスは用意されない。また日立では、Windows Server 2008 R2およびWindows 7へも順次対応予定だとしている。
ライセンス体系および価格は次のとおり。Webサイト上では操作体験も可能だ。なお日立は、JP1/Desktop Navigation」に続くJP1 Ready Series第2弾として、サーバ安定稼働を支援する製品を2010年にリリースする計画だという。
ライセンス種別 | 製品 | 税込価格 |
---|---|---|
基本ライセンス | JP1/Desktop Navigation | 42万円(管理対象PC、50台までのライセンスを含む) |
追加ライセンス | JP1/Desktop Navigation 追加用10ノードライセンス | 5万7750円 |
サポートサービス | JP1/Desktop Navigation サポートサービス | 12万6000円(1年契約。基本ライセンスごとに必要 |
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