2001年以降、NECをはじめとした日本のIT企業が日本SGIの株式を取得し始めた。この10年間で保有株主の顔ぶれおよび比率が変わったが、2011年3月に大きな動きがありそうだ。
NECは現在、保有する日本SGIの株式を米シリコングラフィックス(SGI)に売却する方向で調整作業を行っている。月内にも手続きを終える予定。
NECが日本SGIの株式取得を発表したのは2001年10月26日。SGIが保有する株式の一部を取得した(NECが40%、NECソフトが20%)。この時点では、SGIとNECが40%ずつの株式を保有する筆頭株主だった。当時の出資額はNECが約77億円、NECソフトが約38億円だった。
2005年4月1日、日本SGIは、キヤノン販売(現キヤノンマーケティングジャパン)、ニイウス(当時。2010年9月24日解散)、ソフトバンク・メディア・アンド・マーケティング(SBMM、現ソフトバンクメディアマーケティングホールディングス)3社との資本参加を含む戦略的提携を発表した。この提携により、これまでSGIが40%保有していた日本SGIの株式のうち、発行済み株式の10%がキヤノン販売に、同じく5%がニイウスに、1%がSBMMに譲渡された。日本SGIに対する出資構成比率はNECが40%で筆頭株主となり、次いでSGI 24%、NECソフト 20%、キヤノン販売 10%、ニイウス 5%、SBMM 1%となった。
さらに2006年9月11日、SGIは所有する日本SGIの株式の一部を自己株式として買い取り、同数の株式をモルガン・スタンレー証券(現モルガン・スタンレーMUFG証券)へ譲渡した。これにより、モルガン・スタンレー証券が日本SGIの株主に加わり、SGIの日本SGIに対する出資比率は19.9%から10.5%に低下した。
日本SGIにおける2011年3月時点の主要株主および株式保有比率は以下の通り。
株主 | 保有比率 |
---|---|
NEC | 33.0% |
NECソフト | 16.5% |
Silicon Graphics International Corp. | 10.4% |
キヤノンマーケティングジャパン | 10.0% |
ソニー | 10.0% |
モルガンスタンレーMUFG証券 | 9.3% |
ジャフコ | 5.3% |
野村証券 | 4.3% |
ソフトバンクメディアマーケティングホールディングス | 0.8% |
日本SGIトラスト・エイト | 0.4% |
日本経済新聞電子版は3月8日、NECやソニーなど8社が日本SGIの保有株式すべてをSGIに売却するなどと報じた。
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