NEC、保有する日本SGIの株式を米SGIに売却する方向で調整中雨天炎天

2001年以降、NECをはじめとした日本のIT企業が日本SGIの株式を取得し始めた。この10年間で保有株主の顔ぶれおよび比率が変わったが、2011年3月に大きな動きがありそうだ。

» 2011年03月08日 15時41分 公開
[谷古宇浩司,ITmedia]

 NECは現在、保有する日本SGIの株式を米シリコングラフィックス(SGI)に売却する方向で調整作業を行っている。月内にも手続きを終える予定。

 NECが日本SGIの株式取得を発表したのは2001年10月26日。SGIが保有する株式の一部を取得した(NECが40%、NECソフトが20%)。この時点では、SGIとNECが40%ずつの株式を保有する筆頭株主だった。当時の出資額はNECが約77億円、NECソフトが約38億円だった。

 2005年4月1日、日本SGIは、キヤノン販売(現キヤノンマーケティングジャパン)、ニイウス(当時。2010年9月24日解散)、ソフトバンク・メディア・アンド・マーケティング(SBMM、現ソフトバンクメディアマーケティングホールディングス)3社との資本参加を含む戦略的提携を発表した。この提携により、これまでSGIが40%保有していた日本SGIの株式のうち、発行済み株式の10%がキヤノン販売に、同じく5%がニイウスに、1%がSBMMに譲渡された。日本SGIに対する出資構成比率はNECが40%で筆頭株主となり、次いでSGI 24%、NECソフト 20%、キヤノン販売 10%、ニイウス 5%、SBMM 1%となった。

 さらに2006年9月11日、SGIは所有する日本SGIの株式の一部を自己株式として買い取り、同数の株式をモルガン・スタンレー証券(現モルガン・スタンレーMUFG証券)へ譲渡した。これにより、モルガン・スタンレー証券が日本SGIの株主に加わり、SGIの日本SGIに対する出資比率は19.9%から10.5%に低下した。

 日本SGIにおける2011年3月時点の主要株主および株式保有比率は以下の通り。

株主 保有比率
NEC 33.0%
NECソフト 16.5%
Silicon Graphics International Corp. 10.4%
キヤノンマーケティングジャパン 10.0%
ソニー 10.0%
モルガンスタンレーMUFG証券 9.3%
ジャフコ 5.3%
野村証券 4.3%
ソフトバンクメディアマーケティングホールディングス 0.8%
日本SGIトラスト・エイト 0.4%

 日本経済新聞電子版は3月8日、NECやソニーなど8社が日本SGIの保有株式すべてをSGIに売却するなどと報じた。

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