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» 2011年04月22日 17時00分 公開

オルタナブログ通信:自粛を自粛せよ――“悪魔のサイクル”から脱し、復興を目指すために (3/4)

[森川拓男,ITmedia]

自分の仕事が将来の日本を作っていく

 今、自分がなすべき目の前の仕事。この仕事が将来の日本を作っていくのだと、素晴らしい日本への第一歩だと思うと、自然と笑みこぼれるのです。

 志をもって石を切る:永井千佳の音楽ブログ


 「誰しも何かしら果たすべき役割がある」――岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」の当事者意識の持ち方、持たされ方、そして当事者能力で書かれた言葉には、考えさせられた。中でも、「その役割についてどこまで当事者意識を持ってるか」というところに。誰しも震災以前と以後とで、変わったことがあるだろう。今はその役割を考えるいい機会なのかもしれない。

 永井千佳氏「永井千佳の音楽ブログ」の志をもって石を切るは、「今、自分がなすべき目の前の仕事。この仕事が将来の日本を作っていくのだと、素晴らしい日本への第一歩だと思うと、自然と笑みこぼれるのです」と言う。紹介された石切り職人の話も、“気付き”をくれた。

 自分の果たすべき役割に、志を持って向かいたい。

修理職人がいない

 お金がかかっても構わないので修理したいと伝えたところ、中国で製造していて修理はできないと打ち明けられた。街角には靴やカバンの修理専門店があり、数分で見違えるように修理してくれるのを見ている私にとっては、カバン販売元が修理できないというのはかなり驚きであった。

 修理職人がいない:教えること、教えられること


 震災後、思わぬ業種で生産がストップする事態が起きている。それは部品の一部が被災地の工場で生産されていたため、代替品の入手が難しいことなどが原因だ。製造工程を分散し、1カ所に集中させないことで便利な部分がある一方、たった1つの部品がないために全体の進行がストップしてしまうこともある。

 高松麻子氏「教えること、教えられること」の修理職人がいないは、これとは別の話だが、似た部分もあって気になった。高松氏は「デザインセンスのよいPC用バッグを破格値で購入し」、「重たいノートPCに耐えかねて、肩ひもを固定していた縫製がほつれて肩ひもがカバンから抜けた」。そこで「購入元に行ったところ、破格値のため修理はできない」と断られてしまう。お金はいくらかかってもいいと言っても、「中国で製造していて修理はできない」と言われたのだ。「結局そのバッグを販売した店は、デザイン違いの新品バッグと交換してくれた」というが、修理職人がいないという現実に驚いたという。効率を追求した結果、何かを失った気がするのは筆者だけだろうか。

悪魔のサイクルから脱せよ!

 本来は自粛する必要がないのに自粛する先に、何が待っているかというと、経済停滞→企業収益悪化→企業倒産や労働者失業です。新しい日本を創ろうとしているこの矢先に、このような悪魔のサイクルに入ると、抜け出すのは容易ではありません。

 自粛が、経済を停滞させ、失業者を増やし、本当の経済萎縮が始まり、日本が悪魔のサイクルに入る理由:永井孝尚のMM21


 震災から1カ月以上が経過し、ずいぶん日常が戻ってきてはいるものの、いまだに「節電中」の張り紙も多い。川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」の日本が、リスタートする瞬間は... きっとこの瞬間だ!に、「街中から『節電中のため...』の張り紙が消えた瞬間」がリスタートの瞬間だ、と言うのに同感である。

 大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」の自粛を自粛するでは、いつまで自粛し続けるのかという疑問を投げかけている。「僕はその逆に、普段通りの消費活動を続けることで、被災地の物資も消費する」――これこそが、復旧・復興のための第一歩であると筆者も思う。永井孝尚氏の自粛が、経済を停滞させ、失業者を増やし、本当の経済萎縮が始まり、日本が悪魔のサイクルに入る理由にあるように、「本来は自粛する必要がないのに自粛する先に、何が待っているかというと、経済停滞→企業収益悪化→企業倒産や労働者失業です。新しい日本を創ろうとしているこの矢先に、このような悪魔のサイクルに入ると、抜け出すのは容易ではない」のだ。「過度な自粛こそ、本当に自粛すべき」なのである。

 確かに、電気などを潤沢に使ってきた生活を見直し、無駄なところを節約することは必要だ。しかし、何でもかんでも自粛してしまっては、何も生まれないのだ。

 特に、エンターテインメント関連でイベントの中止も多いような気もするが、本荘修二氏「Dr.本荘の Thought & Share」の自粛を越えよアーティストたち MISIAライブに感嘆にあるように、逆に積極的にやってほしい。こういうときこそ、芸能の力も必要だと筆者は思うのだ。

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