徹底的にやる男、その名も“徹”オルタナティブな生き方 斉藤徹さん(1/3 ページ)

ソーシャルメディア事例の調査や、マーケティング活用の秘訣を提案する「In the looop」は、ITmedia オルタナティブ・ブログで不動の1位を誇る人気ブログだ。筆者、斉藤徹さんに、激動の半生や人生観を聞いた。

» 2011年06月08日 12時00分 公開
[聞き手:土肥可名子、鈴木麻紀,ITmedia]

1日2サイクル。細切れ睡眠の生活

斉藤徹さん。ソーシャルメディアの最新トレンドを紹介する「In the looop」は、オルタナの人気ナンバーワンを独走中。

 昨年暮れの津田大介さんとの対談の際に計算したのですが、仕事をする時間を1日当たり10時間×7日とすると、週70時間のうち、ループス・コミュニケーションズの社長業務やコンサルティング業務に30時間、ブログ執筆などのソーシャルメディア活動に15時間、講演やそのための資料やスライドの準備に15時間、書籍執筆に5時間、ループスで始めたUst番組に5時間といった感じですね。おかげさまで講演の依頼も増え、年100回くらいのペースになっています。

 昼間はクライアントのコンサルティングや企画、取材対応といった仕事をして、家に帰って2〜3時間眠る。深夜は集中できるので講演の準備やブログ執筆を。講演でも、同じ方が続けてお見えになることがありますので、使用するスライドは毎週更新しています。ムービーも多く取り入れ、何度聞いていただいてもご満足いただけるよう常に工夫しています。

 このゴールデンウィークには講演スライドの全面見直しをしました。先日オルタナブログでもリリースして、皆さんからアクセスいただいています。

 1分の中身をいかに凝縮するか、密度の濃いものにするかは常に課題です。DropboxやEvernote、スマートフォンといった業務効率をあげるツールを使いこなすための工夫は、最優先でやっています。これらは長期的に効果があるものですから。忙しいからこそ、効率をあげるアクションを優先していかないと。

意味のないことが嫌い

 昔から、余計なことや無駄なことが嫌いなんです。会社にとって余計なことの1つが内向きの仕事。会社は外、つまりお客さまや社会に向けて貢献するために存在しているのであって、上司への報告に必要以上の時間をとられたりするのはバカバカしい。うちのスタッフにはそんな時間があったら、眠ったり遊んだりしてほしいです。

 「効率最優先」というと語弊がありますね。有意義な時間を過ごし、ゆとりを持ちたいんです。クリエイティブな発想ってそういう環境で生まれるものですから。ゆったりとリラックスできる時間が欠かせない。だからそんな時間を増やしてもらうために、無駄なものは徹底的に排除したい。ループスでは、組織や業務フローに至るまで、私が必要以上に業務に関与しなくてもいいようにシステムが出来上がっています。物事を効率化するシステム作りは企業経営の上では最初にやるべきことだと思います。

 無駄なものってそこら中にありますよね。例えばお役所の申請書。住所や名前を何カ所も書かされるでしょう? あれ、何の意味があるのでしょうね。あれが国民の時間をどれだけ無駄にしているのか、どれくらいの国家的ロスになるのか、とても気になります。だから自分がコントロールできる範囲では、そういう無駄を一切なくしたいのです。そんな時間があれば、お酒を飲んだり、レディ・ガガの音楽を聞いたりする方がよっぽどいい仕事ができますよね。その辺は徹底しています。

自分自身でコントロールできることに集中する

 人間を外部の環境に合わせるタイプと主体的なタイプの2つに分けると、僕は主体的なタイプの人間です。主体的なタイプにも2通りあって、ひとつ目は自分がコントロールできることとできないことの区別がついている人。もうひとつは、すべてを思い通りにしたい、いわば「コントロールフリーク」です。

 コントロールフリークで大きな財産を得たとしても、コントロールできないものに対して常にイライラとしているので、一生満足できないでしょうね。そういう意味では不幸な人だと思います。外部環境に合わせる人とは、例えば相手の顔色を見て自分の意見を変えてしまう人。こういう人も自分がなくてかわいそうだなあと。

 自分のできる範囲に集中して、それを最適化していくのが1番幸せな生き方だと思います。僕もそんな生き方を心がけています。自分自身でできることには、集中して最善を尽くしますが、それ以外のエリアで起こる物事には一喜一憂しないようにしています。おかげさまで幸せですが、少し忙しいのが悩みです(笑)

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