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» 2011年08月13日 10時00分 公開

オルタナブログ通信:Facebook、mixi、それともGoogle+?――ソーシャルメディア狂想曲 (2/3)

[森川拓男,ITmedia]

朝令暮改?

 朝iPadでチェックしたときは日本のApp Storeにもあって、しっかりダウンロードもしたのに、午後3時ごろに見に行ったら消えてたんです。

 朝あったiPadアプリが夕方消えてた:海外速報部ログ


 佐藤由紀子氏「海外速報部ログ」の朝あったiPadアプリが夕方消えてたに、なかなか興味深い出来事が報告されている。「AOLが米国のApp Storeで今日リリースしたiPadアプリ版の電子新聞『Editions by AOL』が、朝は日本のApp Storeにあったのに、午後3時ごろに見に行ったら消えていた」というのだ。実はこのアプリ、日本では消えていたが、アメリカにはあったという。佐藤氏は「機能の1つに、ZIPコードを入力するとローカルニュースとその地域の天気予報を表示する、というオプション(入力しなくてもOK)があるので、米国外だとこれが使えないからとりあえず引き上げちゃった」のかもしれないと推測している。そうだとしたら、「そんなの別に使えなくても、注意書きを表示して残しておいてくれればいい」のだが。

 それにしても、「App StoreはAppleがしっかり審査してから公開しているはずなのに、なーんで公開してからこんなことになる」のか、いささか不可解ではある。

行政の公式サイトがFacebookに?

 8月1日に佐賀県の武雄市が市の公式ページをFacebookに完全移行しました。

 市の公式ページがFacebookに完全移行した件について:ベンチャービジネス千里眼


 Facebookの企業による利用が進み、行政でも活用するケースが出始めている。ついには、完全移行するケースも登場した。

 吉政忠志氏「ベンチャービジネス千里眼」が紹介した、佐賀県の武雄市の公式ページがFacebookに完全移行した件についてが、それだ。吉政氏が言うように、「公式サイトがFacebookに完全移行するのはかなり革新的なことだ」。

 しかし同時に、「日本の市が海外のFacebook上で公式ページを開設することに不安を覚え」ることも確かだ。「公開するだけならいいのですが、市がFacebookの利用を市民に呼び掛け始めたりすると、市民データをFacebookに提供していることにもなりかね」ない。「その判断でいいのか?」と、吉政氏は疑問を投げかけている。「いざとなったら、Facebookを止めてまた元に戻せばいいのでしょうが、リダイレクト機能などはないでしょうから、元に戻すのは大変そう」だ。

 そして興味深いのは、「武雄市長である樋渡啓祐氏は、日本フェイスブック学会会長と日本ツイッター学会会長を兼務している」という事実。「『日本』という名前がついていますが、本拠地は佐賀県武雄市」という。確かに、「名乗るのはある程度自由だと思うのですが、それぞれのページを見ると、『先に言ったもの勝ち』に見えてしまい、大きな大義を掲げるのでしたらその必然性と根拠を説明してほしい」とある。

 「こういう熱い市長は必要な人材」だが、「間違った方向に進まない事を期待」するばかりである。

 なお、吉川日出行氏「ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦」も自治体のホームページがFacebook上に移転で、「さすがにこれは『ちょっと大丈夫か?』」と憂慮している。「まずは並行稼働というならともかく、いきなり前のホームページを閉鎖すると混乱しないのか」という意見に筆者も同感である。

Facebookとmixi、そしてGoogle+

 Facebookを使っているけどあまり目立ちたくないという人は、顔写真を公開しなかったり実名で登録していなかったりしています。そういう人にはmixiのような基本的には匿名なSNSの方がなじみやすいのかもしれません。

 Facebook利用率1位の大学から学ぶ、Facebookが使われる条件:GREAT GEEKS


 佐々木真氏「GREAT GEEKS」のFacebook利用率1位の大学から学ぶ、Facebookが使われる条件で、興味深いことが考察されていた。「Facebookは実名制で個がハッキリと出るため、自分という存在をある程度主張できる人が多い」ということだ。

 そして、「まだまだ日本ではmixiの方が数的に圧倒的優位」にあるという。確かに最近は「ソーシャルリクルーティングなど就職活動でFacebookを活用する学生が増えたり、多くのソーシャルサービスがTwitterやFacebookのアカウントを使ってログインすることも多くなって」いるが、「果たして日本人にはFacebookは受け入れられないのか、それともFacebookは日本人の考えをも変えてしまうのか」、注目したいところだ。

 対するmixiはどうだろうか。高橋誠氏「点をつなぐ」はmixiは自分たちの強みをわかっていないのではないかで、mixiが「マイミク一覧にいきなりニックネームだけでなく名前を載せたり、足あと機能を改変したりしているのを見て、個人的には違和感を感じている」という。高橋氏が「mixiで面白いと思ったのはコミュニティ機能」だ。これこそが、ビジネス色が強いFacebookなどにはない、mixiの強みなのだと。しかし「最近はコミュニティ機能は真ん中から追いやられていて、力を入れているようには見えない」ようだ。mixiは今後、どこに進むのか?

 Facebookが日本で爆発的な盛り上がりを見せない理由を考察したのが、松井真吾氏「IT向上化計画」のソーシャル界隈のパラドックス〜あるいはFacebookが流行らないたった1つの要因だ。それはズバリ、「ビジネス臭が強い」ということだ。ある程度流行してからビジネス利用が出てきたTwitterとは違い、「それで味を占めた人々が早い段階からFacebookに目を付け、次のビジネスツールはFacebookだ、なんていって騒いでいた」のがFacebookだというのだ。「なんだか、ネットの一部、マーケティング系のコンサルタントとかそれに類似する立場の方々とか、テレビ、雑誌関連の人々の間ではFacebookが盛り上がっているような印象ですが、一般の人たちとの温度差が大きい」のが現実のようだ。

 松井氏はGoogle+については、「よくできていますね」と評価。「Googleアカウント1つでSNSからチャット、メールまでできるし、ほかにもGoogleの大量にあるサービスを利用できますからね。Androidの普及とともにGoogleが占有するネットワークトラフィックもまだまだ増え続けるでしょう」と予測している。

 大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」のGoogle+も、上限は5000名のようですによれば、Google+にも友人の数に「どこかで聞いたことがある数字」の上限が設けられているようだ。興味深いサービスであることは間違いないが、「多くのセールスマンが集まり始めたFcebookか、始まったばかりでどうなるかまだまだ分からないGoogle+か、あるいはやっぱりTwitterなのか」については、しばらく混沌とした状態が続くのだろうか。大木氏が言うように、「どこか淘汰されていく」のだろうが、しばらくの間は“ソーシャルメディア狂想曲”が続くのだろう。

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