ソーシャルネットワーク活用で取引先情報を瞬時に把握 GXS

企業間電子商取引プロバイダーのGXSは、買収したRollStreamとのサービス連携について説明した。

» 2011年09月02日 15時00分 公開
[伏見学,ITmedia]

 企業間電子商取引のソリューションプロバイダーであるGXSは9月2日、今年3月に買収したRollStreamとのサービス連携に関する記者説明会を開催した。

米GXS バイスプレジデント グローバル製品マネジメント担当のスティーブ・コクラン氏 米GXS バイスプレジデント グローバル製品マネジメント担当のスティーブ・コクラン氏

 RollStreamが提供するSaaS型プラットフォームは、ユーザー企業とその取引先企業とのB2B連携を促進するエンタープライズ向けソーシャルネットワーク。これを従来からGXSが提供する企業間電子取引のグローバルなプラットフォーム「GXS Trading Grid」と組み合わせて活用することで、世界で4万5000社を超える顧客、サプライヤー、流通業者、金融機関に関する重要な情報が集約できるほか、規制順守、消費者製品安全性、環境責任調査に関する詳細情報など、電子商取引に関連した必要なデータ収集することも可能になる。

 また、グループポータルやアドレス帳、コンテンツを投稿するFacebookの「ウォール」のような機能など、さまざまなコラボレーションツールを利用することで、パートナーの最新情報を把握し、サプライチェーンのリスク軽減や情報に基づいた意思決定を行える。

 RollStreamを活用するメリットとして、米GXS バイスプレジデント グローバル製品マネジメント担当のスティーブ・コクラン氏は「コスト削減」「スピード向上」「リスク管理」の3つを挙げた。

 コスト面では、仮に取引先との情報管理を自動化していない場合、情報のライフサイクルは企業ごとに年間1000ドルの費用が発生するという。スピード面では、通常、新規企業と商取引を行う場合、ルール設定やデータフロー構築、ネットワーク接続、システム導入など、実際に取引が始まるまでに1カ月以上かかり、大きな収益の妨げになる。また、バリューチェーンの管理において、粗雑な管理やずさんな記録管理は多大な金額の罰金を発生させ、深刻なリスクを伴う。こうした課題を解決するのがRollStreamであるという。

 例えば、米国の医療代理店大手であるOwens & Minorは、GXSのサービスを採用したことで、取引開始時の接続導入時間を30%以上短縮したほか、製品の市場投入時間が早まり年間148万ドルの収益増になった。また同社は、東日本大震災の発生直後からRollStreamを通じて取引先である日本企業の情報を収集。日本がどのような影響を受けて、サプライチェーンにどのような問題が発生するかを素早く把握し、ビジネスの遅延を防いだという。

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