2012年版ノートンがリリース、ネット犯罪の被害実態も明らかに(2/2 ページ)

» 2011年09月13日 19時29分 公開
[國谷武史,ITmedia]
前のページへ 1|2       

日本のネット犯罪被害額は8366億円

 新製品と併せて公開されたインターネット犯罪の最新レポートは、日本を含む世界24カ国の1万9636人(成人1万2702人、子ども4553人、教職者2329人)にインタービューした結果を分析したもの。報告書の概要をSymantecのアドバイザーを務めるアダム・パーマー氏が解説した。

 報告書によると、ネット犯罪の被害者は世界では1日当たり100万人、1分当たり820人に上る。日本では1日当たり3万人、1分当たり21人。ネット犯罪に伴う損害額(時間的損失を含む)は世界全体では3880億ドルになり、違法薬物の取引規模とされる4110億ドルに匹敵する規模になった。日本は101億ドル(約8366億円)だった。

 また期限切れのセキュリティソフトを利用していた成人ユーザーは、世界が41%、日本が45%だった。過去1年にネット犯罪に遭った成人ユーザーは世界が44%、日本が19%。ネット犯罪に遭うと動揺するとしたユーザーは世界で67%、日本で75%に上った。

 インターネット利用時間は、世界が週24時間、日本が週23時間と大差がなかったものの、携帯電話でインターネットを利用するユーザーは世界が44%であるのに対し、日本は56%だった。インターネットのない生活は考えられないとする成人ユーザーは、世界が24%、日本が34%であった。

アダム・パーマー氏

 こうした結果から、日本ではネット犯罪の被害を経験したユーザーが世界平均よりも少ないものの、ネットの利用機会は多く、犯罪に巻き込まれる危険性が高いことが読み取れる。

 米連邦捜査局(FBI)でインターネット犯罪を担当していたというパーマー氏は、「ある事件ではネット上で多数のIDや児童ポルノを売りさばき、金銭を荒稼ぎしていた容疑者を逮捕した。この捜査には、海外の複数の警察当局と連携して当たらなければならなったが、非常に大変なものだった」とエピソードを紹介した。

 ネット犯罪では次々に新たな手法が用いられ、警察の対応に限界もあるとパーマー氏。「警察に頼り切らず、自分の身は自分で守ることがいかに大事であるかを報告書からも読み取ることができる」とコメントした。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ