コンサルティングを受ける側はどのような心持ちでいるとよいのか。中小企業のIT導入支援を多数行ってきたオルタナティブ・ブロガー松井真吾氏が解説します。
(このコンテンツはオルタナティブ・ブログ「IT向上化計画」からの転載です。元エントリーはこちら。)
今日のテーマは企業とコンサルタント。シンデレラの登場人物に例えて、コンサルティングが成功する企業ってどんなんだろうということを考えます。
登場人物は、シンデレラと義理の姉。この対比でいくと当然成功する企業はシンデレラ、失敗するのは義理の姉です。その違いは何でしょう。
シンデレラは一生懸命に努力をしているところを魔法使いがアシストしてくれました。その結果、努力が報われて、夢のような世界を現実のものとして手に入れます。一方、義理の姉はどうしたかというと、とにかく王子様が迎えにきて自分を連れて行ってくれることに全力を尽くしています。
ここで、コンサルタントの仕事というのを考えてみましょう。
コンサルタントとは企業を理想のあり方に向けて導く仕事。その過程ではまず、理想の姿にリアリティを与えて、企業を奮い立たせます。そして、厳しい現実を理解させ、理想とのギャップを見せるわけです。しかも具体的に。そうすることで、企業自身が何をすれば理想の姿に近づけるのかを考え、それに向けて努力する。こうした状態を作りアシストするのがコンサルタントの仕事。
コンサルタントは、シンデレラで言うところの魔法使いに近いのではないかな、と思うわけです。
シンデレラは魔法使いの魔法によってお姫様になり、王子様と夢のような時間を過ごします。しかし世があければまた元通り、厳しい現実に向かいます。しかし彼女は、夢のような世界に思うだけではなく、その後も日々健気に過ごしていきます。そのかいあって、夢のような状況が現実のものとなる、これはみなさんご存知の通り。
その一方義理の姉はどうしたかというと、そうした過程をすっ飛ばして王子様に取り入ろうと小細工を仕掛けます。しかしそのような方法では王子様に見合う魅力を手に入れられず、最後には不幸な結末を迎えます。
そう考えると、企業がコンサルタントに王子様的なものを期待して、黙っていても夢の国に連れて行ってくれると思っていたら、確実に不幸になるよなあ。
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