ECサイトを通じた購買促進やブランディングを支援 日本オラクルMaker's Voice

日本オラクルはECコマース製品「ATG」の機能強化を図り、同製品の拡販を進める。Webサイトを活用した販売促進や商品のブランディングに注目する企業が増えての取り組みという。

» 2012年01月23日 08時15分 公開
[ITmedia]

 日本オラクルは、eコマース向けアプリケーションパッケージ製品「Oracle ATG」の販売推進に取り組むという。2011年12月にWeb上での口コミ情報を収集・管理できるサービス「PowerReviews」との連携を図り、企業のWebサイト活用を支援すると表明している。

 Oracle ATGは、米Oracleが2010年に買収したArt Technology Group(ATG)の製品をベースとしている。ATG時代を含めて世界で1000社以上への導入実績があり、IT業界や通信業界のユーザー企業も多い。国内での導入実績は10社ほど。アプリケーションビジネス本部 ビジネス開発部 担当シニアマネージャーの上甲統久氏は、同製品の本格展開に着手する理由として、顧客接点や販売機会の拡大、商品のブランディング強化を、Webを活用して図りたいという企業ニーズが高まりつつあるためと説明する。

 同氏によれば、国内のeコマース市場は継続的な成長が見込まれる一方、消費者の購買行動が複雑化している。テレビや雑誌で知った商品について、店頭やWebサイトを何度も利用しながら価格比較や口コミなどの情報を調べて購入するようなケースでは、顧客がその商品について触れるポイントが多数存在する。企業はそれぞれのポイントで顧客との関係を深められれば商機を拡大できるという。さらに、「商品購入だけでなく、ファンになってもらうことも大事」(上甲氏)という。

 eコマース向け製品分野には、オープンソースを含めて既に多数のソフトウェアが提供されている。上甲氏は、Oracle ATGの特徴的な機能として「ダイナミックシナリオエンジン」を挙げる。

 この機能は、「何を」「誰に」「いつ」「なにをしたら」といった項目ごとに条件を指定して顧客に提供するコンテンツ(シナリオ)を設定しておくと、顧客の静的なプロフィール(年齢や性別など)と動的なプロフィール(行動内容や訪問時間など)を組み合わせから、最適なシナリオを表示する。PowerReviewsとの連携ではPowerReviewsが蓄積した口コミの内容や投稿者のプロフィール、商品に対する評価などをダイナミックシナリオエンジンに反映させる。

 これにより、例えば、同一商品の説明でも顧客が居住する地域に応じて内容を変えたり、多数の口コミ情報の中から顧客に適した内容を自動的にピックアップして表示したりといったコンテンツ展開が可能になるという。こうした展開を自社のPC向けサイトやモバイル向けサイト、Facebookなどの外サイトを横断して行えるほか、チャット機能を介して企業の担当者と直接コミュニケーションをとれるようにもなっている。「PowerReviewsとの連携で、顧客にとって必要な信頼でき得る口コミ情報を提案できると考えている。国内では初めてだが、海外では利用事例がある」と上甲氏は話す。

 同社は、CRM(顧客関係管理)や在庫管理といった業務アプリケーション製品とOracle ATGの組み合わせも提案。eコマースと関連業務領域を含めた包括的なソリューションとしても展開する方針だ。

Oracle ATGとPowerReviewsとの連携イメージ

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