「オープンかつ標準なクラウド環境を推進」 デルらが新組織設立

デルが主体となって立ち上げた「オープン・スタンダード・クラウド・アソシエーション」では、ユーザー企業などに対してクラウドに関する技術支援や情報提供を行っていく。

» 2012年02月14日 18時15分 公開
[伏見学,ITmedia]

 デルは2月14日、クラウド環境の普及促進を目指す「オープン・スタンダード・クラウド・アソシエーション(OSCA)」を設立した。ITベンダ、ソリューションプロバイダなどと協業し、主にユーザー企業に対して検証作業や技術支援などを行っていく。

デル 執行役員の町田栄作氏 デル 執行役員の町田栄作氏

 OSCAはクラウド関連ビジネスの活性化を目的に掲げ、CPU、ハードウェア、アプリケーション、オープンソース技術などクラウドサービス基盤の構築に必要な各要素の動作検証ならびに技術支援を実施する。加えて、既存システムとクラウド環境の相互運用性も検証していく。検証結果はホワイトペーパーやセミナー、OSCAのWebサイト、デルの技術者向けSNSサイト「Dellテックセンター」などを通じて広く情報公開していき、ゆくゆくはユーザーが安心して利用できるクラウドサービスやデータセンターインフラなどを提供してく予定だという。現時点で、インテル、ヴイエムウェア、NTTデータ、エンタープライズDB、オープンソース・ソリューション・テクノロジ、Cloudera、新日鉄ソリューションズ、日本マイクロソフト、日立ソリューションズ、Rackspace、レッドハット、WIDEプロジェクトが参画している。

 OSCAの設立背景について、デル 執行役員の町田栄作氏は「日本企業の情報システムはレガシーからオープン化の流れが出来ていたが、クラウド時代においては再びベンダロックインの動きが出てきつつある。そうした状況からユーザーを解放し、選択肢を提供する必要があった」と説明する。現行のクラウドサービスは、互換性と相互運用性の欠如、ベンダ独自のアーキテクチャや技術、サービスレベルと安全性に関するベンダ依存度の大きさなどが問題だという。「OSCAの取り組みによって、オープンで標準、そしてシンプルなクラウド活用を推進していきたい」と町田氏は意気込む。

 OSCAでは技術分科会を設置し、さまざまな技術やノウハウを蓄積していく。具体的には、「ハイパースケール データセンターソリューション」「クラウド運用管理の効率化」「クラウドの相互運用」を主要テーマにして、OpenStackやビッグデータのベストプラクティス構築、データベースのパフォーマンス効率、IT資源の自動スケーリング、仮想環境での作業効率改善、シームレスなパブリック/プライベートクラウドの連携を検討していく。これらの取り組みを行う「OSCA検証センター」は、デルソリューションセンター(東京都港区)内に開設した。

記者説明会に出席したOSCA参画企業 記者説明会に出席したOSCA参画企業

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