サイベースが金融分野向けデータ分析エンジンの最新版発表、R言語対応も

GUIベースとSQLベースによるデータ分析アプリケーションの開発に対応したほか、クラスタ構成による可用性の向上を図った。分析基盤製品では新たにR言語に対応している。

» 2012年02月21日 18時40分 公開
[ITmedia]

 サイベースは2月21日、金融分野向けリアルタイムデータ分析エンジンの最新版製品「Sybase Aleri Event Stream Processor(ESP) 5.0」を発表した。また、データ分析プラットフォーム「Sybase RAP」が統計解析向けのR言語に対応した。

 Sybase Aleri ESPは、ミリ秒単位での大量のトランザクションデータをリアルタイムに蓄積・分析することで、マーケット動向の把握や予測などを支援する製品。Sybase RAPは、マーケットデータの蓄や検索を行うための製品で、従来のリレーショナルデータベース製品に比べて10〜100倍の高速検索が行えるのが特徴という。

 Sybase Aleri ESP 5.0では、従来製品Sybase ESPである開発環境のCCL(Continuous Computation Language=リアルタイム計算用に拡張されたSQL)をサポート。GUIベースとSQLベースの2種類のイベント処理言語を利用できるようになり、直感的なデータ分析アプリケーションの開発に加え、従来環境での開発も単一の製品で行えるようになった。

CCLでの開発画面(左)とGUIでの開発画面

 またサーバをクラスタ構成としたことで、アプリケーションの可用性と拡張性を向上。Javaメッセージシステムによるデータベース連携を可能にするための機能も搭載する。分析用ライブラリでは70種類以上の関数を新たに組み込んだ。

早川典之社長

 会見した早川典之代表取締役社長は、「金融分野ではこれまで取引などのフロント業務領域でリアルタイム性が要求されてきたが、現在では取引結果に対する分析やシミュレーションなどの領域でもリアルタイム性が追求されている」と話す。米Sybase マーケティング シニア ディレクターの二ール・マクガヴァン氏は、「証券分野などでは電子取引に用いるアルゴリズムを常に変化させることで、リスク回避と他社の先を行く成約の獲得を実現したいというニーズが高まっている。このためにリアルタイムな市場分析を実現する仕組みが要求されている」と述べた。

 Sybase Aleri ESP 5.0の価格は、1コア当たり840万円。マルチコアCPU環境ではプラットフォームに応じた割引が適用される。製品出荷は3月下旬を予定している。

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