中堅企業向けERPの技術基盤新バージョンを発表 日本オラクル

日本オラクルは、ERP製品の技術基盤「JDE E1 Tools 9.1」と、JDE E1のスマートフォン専用アプリケーションを発表した。

» 2012年02月23日 17時45分 公開
[伏見学,ITmedia]

 日本オラクルは2月23日、中堅企業向けERP製品「JD Edwards EnterpriseOne(JDE E1)」の技術基盤である「JD Edwards EnterpriseOne Tools 9.1」、ならびにJDE E1のスマートフォン専用アプリケーションを発表した。同日より提供を開始する。最新版のToolsではユーザーインタフェースを大幅に強化した。

 JDE E1はオラクルが提供するERPスイートで、大きく実際の業務を行うアプリケーションレイヤーと、OSやハードウェアなどと接続する技術基盤レイヤーに分かれている。Toolsは後者に当たり、インストール作業、ソフトウェアの更新作業、システムの運用管理を最適化する包括的な機能を提供する。2つのレイヤーに分ける理由について、例えば、ユーザーがシステムのOSをバージョンアップした場合、JDE E1の製品全体を刷新する必要はなく、Toolsだけをアップグレードすれば最新のテクノロジーに対応できるようになるからだという。Tools 9.1では、主にユーザーインタフェースの最適化、レポーティング機能の強化、システムの運用管理環境の強化を実現した。

日本オラクル アプリケーション事業統括本部 ビジネス推進本部 ディレクターの野田由佳氏 日本オラクル アプリケーション事業統括本部 ビジネス推進本部 ディレクターの野田由佳氏

 特にこだわったのがユーザーインタフェースだ。これまでの製品開発では新機能をどのように実装するかという点に力を注いでいたが、最新版ではデザイン性の高さを優先し、ユーザーの使い勝手や生産性の向上に着目した開発アプローチがとられた。具体的に、ナビゲーション面では、ログインページをほかのオラクルアプリケーション製品のデザインと統一したり、メニューをツールバー化してドロップダウンでメニューを表示したりするほか、カールセルナビゲーションを拡張して図や画像によるアイコンを活用したナビゲーションを実現した。「タブレット端末の操作性をPC上のアプリケーションにも取り込めないかと検討した。どのデバイスで動かしても同じ使い勝手を実現したかった」と、日本オラクル アプリケーション事業統括本部 ビジネス推進本部 ディレクターの野田由佳氏は説明する。

 レポーティング面では、対話型の画面照会機能を強化して意思決定を支援するデータに容易にアクセスできるようになったほか、ドロップダウンメニューから帳票レポートなどの出力情報を瞬時に把握できるようになった。システムの運用管理においては、JDE E1の稼働に必要なビジネスサービスサーバやトランザクションサーバのクラスタ対応が可能となり、システム全体の可用性が向上した。

 iPhone、BlackBerry、AndroidといったスマートフォンでJDE E1を活用できる専用アプリケーションも提供する。同アプリケーションは、セフルサービスによる一般購買申請承認機能の「Mobile Requisition Self Service Approval」、JDE E1の購買管理やサブコントラクトマネジメントと連携した購買申請承認機能「Mobile Purchase Order Approval」、JDE E1の受注管理や在庫管理と連携して、現在の受注および受注履歴を検索したり、品目の基本価格や個数を検索したりできる「Mobile Sales Inquiry」を実装する。今後さらに機能拡張していく予定だとしている。

 Tools 9.1の価格は、1ユーザー当たり約60万円。

関連キーワード

Oracle(オラクル) | J.D.Edwards | ERP


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ