日立がCosminexusの新版発表 ビッグデータ活用やPaaS管理のニーズに応える

Cosminexusの最新バージョン「V9」には、ビッグデータの活用やプライベートクラウドへの移行を図る企業を支援する製品が追加される。

» 2012年02月28日 11時10分 公開
[ITmedia]

 日立は2月28日、同社が“クラウドサービスプラットフォーム”と位置付けるミドルウェア「Cosminexus」の最新版を発表した。翌29日に販売を開始する。

 今回のバージョンは「9」。現行のV8.5を差し替えるメジャーバージョンアップとなり、「uCosminexus Service Director」と「uCosminexus Elastic Application Data store」の2つが、新しい製品として加わった。

 Service Directorは、オンプレミスからプライベートクラウドへの移行を図るユーザー企業向けに、PaaS環境管理製品として提供する。同様にiDC事業者などからの受注も見込む。具体的な機能としては、日立のノウハウを反映した用途別テンプレートにより、クラウド環境のシステム構成情報や、仮想サーバへのリソース割り当て状況などを可視化できる。これにより、例えばシステムの改修がリソースや業務に与える影響範囲が明確になるなどするため、実際の作業だけでなく工数見積りも短縮できるという。日立では、テンプレートをベースとした仮想サーバの構築作業において、従来比で最大約70%の工数を削減できると試算している。

テンプレートに基づき環境を構築できるため、工数を大幅に削減できるという

 Elastic Application Data storeは、複数サーバのメモリ上でデータを分散処理する、インメモリ型のデータグリッド製品。(これまでは捨てていたような)大量のデータを高速に分析しビジネスの意思決定につながる知見を導き出す、いわゆる「ビッグデータ」のニーズに対応する。データは共有メモリ上に分散配置するため、SPOF(単一障害点)を排除し、信頼性を担保している。

 既存製品についても、アプリケーションフレームワークの任意のポイントでトレースを取得しボトルネックや障害個所の特定を容易にしたり(uCosminexus Application Server)、業務プロセスのサービス呼び出し回数や依存関係を「見える化」しサービスの改善および破棄の判断を支援したり(uCosminexus Service Platform)する機能を追加している。

ミドルウェアのライセンスに従量課金を採用

 なお今回、Cosminexusの導入評価・検証用の環境としてAPサーバおよびDBサーバを搭載したマシンを30日間無償で貸し出し、ユーザーの製品導入を支援する「ミドルウェア評価環境サービス」を開始する。

 価格はService Directorが52万5000円から、Elastic Application Data storeが115万5000円から、Service Platformが441万円から、Application Serverが126万円からとなる(全て税込)。新たに月次の利用ライセンス数に応じて従量課金するライセンス体系も導入しており、日立によると既に、クラウドサービス事業者を中心に多くの引き合いがあるという。

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