日系多国籍企業のICT調達行動の実態は? IDCが307社に調査

ICTインフラ導入の権限は本社に所在する場合が多いが、海外などの拠点に権限を委譲したい傾向がみえる。

» 2012年04月02日 13時01分 公開
[ITmedia]

 国内に本拠を置く多国籍企業(日系MNC)がICTインフラをどのように調達しているかについて、IT専門調査会社のIDC Japanが4月2日、調査レポートを発表した。調査は2011年11月〜12月に、307社に対象に実施。アンケートやインタビューからICTインフラ導入の意思決定プロセス(起案、選定、決裁、契約、運用)での権限の所在やニーズなどを分析した。

 それによると、導入権限は日本の本社に所在する企業が多いが、サービス分野、意思決定プロセスによっては差異が存在するという。国際間ネットワークサービスでは意思決定プロセスのうち、「起案」や「決裁」で日本本社の情報システム部門が主要な権限を有しているものの、「契約」や「運用」は現地法人の情報システム部門に権限を付与する比率が高まる傾向にあった。この傾向はセキュリティシステムやビデオ会議でも同様にみられた。

 一方、ハードウェアは「起案」や「決裁」で現地法人の情報システム部門に権限が委譲されている企業が多い傾向にあった。関税や保守契約の関係で現地において調達や契約をするケースが多いという。

 将来的には、「起案」や「運用」でも現地法人や地域統括会社に権限を増やす傾向にあり、海外拠点の拡大に伴ってできる限り現地側に委譲したいという意識があると想定される。投資意向では中国をはじめとするアジアで増加させる意向を持つ企業が多い。しかし、IT要員不足や通信品質の低さ、国/地域ごとに異なる規制/ルールへの対応などが課題になっているという。

意思決定プロセスにおける最も影響力/権限がある関与者が所属する組織:国際間ネットワークサービス(出典:IDC Japan)

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