眉毛を使ったコミュニケーション世界を股にかける!──A global player!

ほぼすべての文化圏において、眉毛を上げ下げするジェスチャーには意味が込められています。

» 2012年08月14日 14時05分 公開
[ジャスミン・A・ワグナー,ITmedia]
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 最近、「眉毛の上げ下げ」に関する興味深い話が書かれた本を読みました。

 おもしろいことに、それまで私はこのジェスチャーについて何ら意識していなかったのです。西洋諸国をはじめとするほぼすべての文化圏で、眉毛を上げ下げするジェスチャーには、「こんにちは」という意味があります。ところが、日本人はこれをまったくしません。眉毛の上げ下げはほんの一瞬の動作であり、1秒もかからないほどです。まさにあっという間の出来事なので、見逃してしまうことも多いかもしれませんね。

 次に外国人と会う機会があったり、海外のテレビ番組を見たりする際に、少し離れた場所に知り合いがいるのを見つけた人が眉毛をどう動かすのか、注目してみましょう。距離が遠すぎるので声を出しても聞こえませんから、恐らく「やあ」と挨拶はせずに眉毛を上げ下げして合図を送るはずです。また、知人と挨拶する前に眉毛を動かすことも多々あります。これが初めて会う相手だと、眉毛を動かすジェスチャーはしません。つまり眉毛の上げ下げは、好意を抱いている既知の人物だけを対象にしたコミュニケーションなのです。

 わざわざこうした背景を説明したのは、日本では離れた場所から知人に挨拶をする際は軽く頭を下げ、同時に目線も一瞬下に向けて、相手を認めたことを表すのが一般的だからです。これは外国の挨拶習慣とはかなり異なっていますから、日本人には普通の所作であっても、外国人には頭と目線を下げることで「顔を背けて」「無視をした」と取られかねないということを覚えておきましょう。

 外国では、眉毛をちょっと動かして挨拶を交わします。さらに、(手を振るなどして)相手の存在に気付いたという合図を送れたなら最高ですね。もちろん、遠くにいる誰かがほほえみながら眉毛を動かす仕草を見せた場合は、手を振ったり会釈をしたりしていなくても、その人物はあなたに気付いたことになるのです。

著者プロフィール

ジャスミン・A・ワグナー(Jasmin A. Wagner)

ドイツ、ハンブルク出身。2歳の時に両親とともにヨットで世界一周の旅に出発。その後15歳になるまで世界30カ国以上を訪れる。この旅についてのニュースは世界中で評判になり、韓国で絵本が出版され、日本でも多くのメディアで紹介される。アジアには10〜15歳まで滞在。そのうち4年間は奄美大島に滞在。その後も両親は旅を続け、自分は1人でドイツに帰国。優秀な成績で学業を修め、経営管理学ディプロマ Diplom-Betriebswirt(BA)を取得。ドイツの有名自動車企業に就職後、28歳でエグゼクティブに抜擢される。

世界中の支社で働くうちに、それぞれの国に大きな特徴、強み、弱みがあることに気づく。コミュニケーションスキルでビジネスの成功に大きな差が出ることを痛感。ニューヨークにてイメージコンサルティングスキルを学ぶ。キャリアの傍ら、グローバルコミュニケーションやイメージコンサルティングセミナー、トレーニングを展開する。独、仏、英語、日本語を話す。空手初段。


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