CAがシステム開発テストの支援ソリューションを発表 期間短縮やバグの削減に効果

接続テストなどを行う場合に、連携先システムのサービス内容を仮想的に再現できる「CA LISA」を発売する。連携先システムの制約を受けることなくテストが実施できるという。

» 2012年09月21日 18時29分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 CA Technologiesは9月21日、仮想化技術を用いてアプリケーションやシステムの開発を支援するソリューション製品「CA LISA」を発表した。同製品を活用することで、テスト工程における期間短縮や品質向上、コスト削減が可能になるという。

 CA LISAは、開発中のアプリケーションやシステムを別のシステムと接続してテストを行いたい場合に、接続先システムのサービスを仮想的に再現できる環境を実現する。接続先システムの制約を受けないことから、テスト実施までの待ち時間などか解消され、作業に集中できるようになる。その結果として、短納期化や品質向上などにつながるという。また、物理的なテスト環境を構築する手間や品質向上に伴うバグ修正対応などの手間も軽減され、コスト削減効果も生じるとしている。

CA LISAの稼働イメージ

 同製品はCAが2011年に買収したInteractive TKOが開発したもので、海外市場では2007年から販売している。Interactive TKOの創業者で現在はCAの最高技術者責任者を務めるジョン・マイケルセン氏は、「連携テストをしたくとも、連携先が本番環境なら時間や条件が限られる、別に開発中のシステムとの連携なら相手を待たなければならないといった制約がある。連携先のサービスを仮想化することで多くのメリットが生まれ、戦略的なIT投資にも寄与する」と説明した。

 サービスの仮想化は、まず連携先システムが既に稼働しているものなら、リクエスト/レスポンス通信の内容をCA LISAがキャプチャして記録し、動的に生成する。連携先が開発中などの場合は、WSDL(Web Service Definition Language)やサーバのトラフィックログ、仕様書などから静的に仮想サービスを生成する。

 生成したサービスは、仮想サービス実行環境(VSE)で実行される。VSEはGUIで操作でき、用途や負荷に応じてマルチサーバ構成にスケールアウトできるという。また、仮想サービスをカスタマイズしたり、オリジナルサービスとの差異を自動的に検出して修正したりもできるようになっている。

 CA LISAは10月17日に出荷を開始し、オンプレミスで利用可能なライセンスの参考価格は4680万円(税別、2013年3月末までは2925万円)。海外ではクラウドサービスでも提供しているが、国内での提供はユーザーニーズに応じて検討するという。

 LISAソリューション部担当部長の佐藤輝幸氏は、「海外ではリリース期間の3割短縮、テストインフラコストの削減、リリース前段階における欠陥の8割削減といった事例もある。ミッションクリティカルなシステムを抱え、多数の開発案件を抱える企業に利用していただきたい」と述べている。

CA LISAの導入メリット

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