「コスト削減」と「革新」、二律背反を克服できるのはOracleだけOracle OpenWorld San Francisco 2012 Report(1/2 ページ)

「Oracle OpenWorld San Francisco 2012」が本格的に幕を開けた。午前の基調講演にはOracleのマーク・ハード社長が登場し、Engineered Systemsを核とした同社の「Simplify IT」戦略を説いた。

» 2012年10月02日 08時00分 公開
[浅井英二,ITmedia]
Oracleのマーク・ハード社長

 サンフランシスコにも秋の気配が漂い、清々しい朝を迎えた。月も改まった10月1日月曜日(米国時間)、Oracleの年次カンファレンス、「Oracle OpenWorld San Francisco 2012」は展示フロアもオープンし、本格的な幕を開けた。木曜日までの4日間で2500に上るセッションが行われる。

 この日の基調講演では、Oracleのマーク・ハード社長が早朝からモスコーニセンターのメイン会場に詰め掛けた約1万の顧客やパートナーらに同社の戦略「Simplify IT」(ITの簡素化)を改めて説く。

 「ITは何をしてくれる?」── CIOへの期待は日増しに高まっている。型破りにも冒頭からステージを降り、参加者に歩み寄ったハード氏は、「CEOからモビリティやソーシャルの活用を期待され、その一方でCFOからは予算削減を求められる。しかもデータは毎年増え続ける。コストを抑制しつつ、効率性を維持し、どのようにしてイノベーションを実現していけばいいのか? この二律背反を克服できるのはOracleだけだ」と話す。

 Oracleは、サーバ/ストレージからOS、ミドルウェア、そしてアプリケーションに至るフルスタックを統合、企業顧客にはオンプレミスでもクラウドでも同じように利用できる選択肢を提供する。5月末に締めた昨年度の売上高全体(371億ドル)からすると、まだまだその比率は小さいものの、ハードウェアとソフトウェアを融合した「Engineered Systems」とクラウド事業が今年度はそれぞれ10億ドル規模の事業に急成長すると見込まれている。

常に最先端の技術を融合し進化するExadata

Engineered Systemsを担当するルイーザSVP

 「Oracleの開発に四半世紀従事してきたが、ハードウェアのボトルネックに大きなフラストレーションを感じた。それがExadataを生み出した」と話すのは、同社でEngineered Systemsを担当するホアン・ルイーザ上級副社長だ。

 ルイーザ氏は、Exadataは単なるアプライアンスではなく、ハードウェアとソフトウェアの最先端技術が融合され、アップグレードも可能なプラットフォームだとする。データベース処理の一部をストレージに任せたり、フラッシュキャッシュを採用したり、カラム型データベースの技術で分析速度とデータ圧縮比を高めるなど、常に低コストで高性能を実現するための改良が行われているという。

 「しかも、構築や最適化にかかる何百年分に相当する技術者の作業を節約でき、箱から出してすぐに高い性能を引き出せる。標準化されているため、サポートも迅速に行える」とルイーザ氏。

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