悪名高い「Blackhole」や「Nuclear Pack」などのツールキットが既にこの脆弱性を悪用しているという。US-CERTはWebブラウザでJavaを無効にする対策を奨励している。
米セキュリティ機関のUS-CERTは1月10日、「Java 7 Update 10」までのバージョンに未解決の深刻な脆弱性が見つかったとして、セキュリティ情報を公開した。この脆弱性を突いた攻撃も既に横行しているという。
US-CERTによると、脆弱性は「Java Management Extensions(JMX) MBean」コンポーネントに存在する。攻撃者がこの問題を悪用して細工を施したHTML文書をユーザーに閲覧させることにより、リモートから認証を受けずに任意のコードを実行できてしまう恐れがあるという。
共通脆弱性評価システムCVSSによる深刻度評価は、ベーススコアで最高値の「10.0」。この脆弱性を突くコードも既に一般に公開されている。セキュリティ企業Kaspersky LabのニュースサービスThreatpostによると、悪名高い脆弱性悪用ツールキットの「Blackhole」や「Nuclear Pack」が、この脆弱性を突いた攻撃機能を取り入れたと発表。さらに、脆弱性検証ツール「Metasploit」の作者も、この脆弱性を突くモジュールを同日中にMetasploitに追加する予定だと話しているという。
現時点でOracleのパッチは公開されていない。Javaの次回定例パッチは2月19日に公開予定。Java 7 Update 10では、Javaコントロールパネルの設定を使ってWebブラウザ内でのJavaコンテンツを無効にできる機能が加わっており、US-CERTではこの機能を使ってWebブラウザでJavaを無効にする対策を奨励している。
SANS Internet Storm Centerの専門家はこの問題に関連して、「もしJavaを必要とするビジネスクリティカルアプリケーションがあれば、代替を見つけた方がいい。これが最後の脆弱性になるとは思えず、BlackholeのようなエクスプロイトキットがJavaに注目している現状では、今後も悪用は続くだろう」と指摘している。
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