ニュース
» 2013年02月01日 08時00分 公開

“迷探偵”ハギーのテクノロジー裏話:国産検索エンジン開発が頓挫した先にあるもの (3/3)

[萩原栄幸,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

国産の検索エンジンは必要か

 今回、国産による検索エンジンの開発を取り上げたのは、近年に新聞沙汰となっている「サイバー攻撃」などの影響があるためだ。別の機会でもお伝えしたいが、今や世界は「サイバー攻撃」というより「サイバー戦争」という様相が強まり始めている。日本では「SFの世界」とか絵空事のように言われているが、現実の状況がどうであるかは、最近のオバマ米大統領の動きなどを注視していると分かるだろう。

 今やインターネットが無ければ、米国はもとより仮想敵国も日本も身動きがとれないという事実がある。そのインターネットで仮に検索エンジンが使えない、あるいは、密かにフィルタリングが行われているとしたら、その影響は極めて大きい。どのくらいの被害になるか見当もつかない。しかも検索エンジンを停止する手間などは、ミサイルを1つ製造するコストに比べたら、はるかに手軽である。想像力のある人なら「ぞっと」するだろう。

 インターネットを使えても検索エンジンが無いというのは、「サイバーリスク」の1つとして考えるべきではないかというのが、筆者の見解である。こういう視点には、多分に政治的な要素もつきまとうが、一般的な感覚からしても、リスクがあるのに(できる可能性があるのに)そのリスクヘッジをしないというのはおかしいと感じる。

 現実の世界には「日米安保」などさまざまな仕組みがあるし、そもそも、米国と日本が敵対してしまう可能性はゼロに近いかもしれない。一方で、政府はサイバーの世界における日本としての立ち位置をどうしたいか考えるべき時期に来ているだろう。自前では何もできない国になりたいのだろうか。食糧の自給率アップ、石油や天然ガスを含めたエネルギーの自給率アップなどと一緒に、「情報の自給率」アップを目指してはどうか。その一環として、インターネットや衛星回線などの防衛策や国産検索エンジンの実現などが入ってくるだろう。

萩原栄幸

日本セキュリティ・マネジメント学会常任理事、「先端技術・情報犯罪とセキュリティ研究会」主査。社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会技術顧問、CFE 公認不正検査士。旧通産省の情報処理技術者試験の最難関である「特種」に最年少(当時)で合格。2008年6月まで三菱東京UFJ銀行に勤務、実験室「テクノ巣」の責任者を務める。

組織内部犯罪やネット犯罪、コンプライアンス、情報セキュリティ、クラウド、スマホ、BYODなどをテーマに講演、執筆、コンサルティングと幅広く活躍中。「個人情報はこうして盗まれる」(KK ベストセラーズ)や「デジタル・フォレンジック辞典」(日科技連出版)など著書多数。


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -