国内データセンターの新設投資、今後も3%以上の成長続く IDC

IDCによる国内データセンターの新設投資予測によると、震災後の災害対策強化でデータセンター利用が拡大し、2012年のデータセンター新設投資は前年比11.5%の大幅増になったという。

» 2013年04月16日 14時01分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは4月16日、国内データセンターの新設投資予測を発表した。2012年のデータセンター新設投資は、前年比11.5%増の2157億円となった。東日本大震災後、情報システムの災害対策強化のために、データセンターを利用する動きが活発化しているためとみられる。

国内データセンター建設市場 投資額予測 2010年〜2017年(出典:IDC Japan) 国内データセンター建設市場 投資額予測 2010年〜2017年(出典:IDC Japan)

 クラウド事業者などITベンダーのデータセンターである「事業者データセンター」の2012年の新設投資は、前年比15.5%増の1313億円に達しており、累積延床面積は2012年の1年間で9.6%増加の170.5万平方メートルになったと推定。金融機関や製造業/流通業などの企業では、情報システムの災害対策強化のために自社でデータセンターを新設するよりも、設備やサービスの優れた事業者データセンターに運用をアウトソーシングする傾向が強まっており、クラウドサービスの利用も拡大しているという。

 一方、一般企業のデータセンターである「企業内データセンター」でも、一部の大手金融機関/製造業などでデータセンター新設投資が拡大しているが、アウトソーシングやクラウドサービスの利用へ移行する傾向が強いため、事業者データセンターの投資と比べると拡大は遅い傾向にある。2012年の企業内データセンター新設投資は、前年比5.8%増の844億円にとどまった。

 国内データセンター新設投資(事業者データセンターと企業内データセンターの合計)は今後も増加傾向となり、2012年から2017年までの年間平均成長率は3.4%で推移し、2017年の投資額は2552億円に達するとIDCは予測する。このうち事業者データセンターの新設投資拡大が顕著で、2012年から2017年までの年間平均成長率は4.4%で推移すると見込んでいる。

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