ラスベガスの「IBM Impact 2013」は2日目を迎え、音楽の配信権を管理する非営利団体、Broadcast Music Inc.が登場、テクノロジーの変化にも柔軟に対応できるSOAの重要性が改めて強調された。
米国時間4月30日、ネバダ州ラスベガスの「IBM Impact 2013」は2日目を迎え、午前のジェネラルセッションでは、取り巻く環境の激変に見舞われながらも果敢にビジネスの変革に取り組む企業とそれを基盤として支えるサービス指向アーキテクチャー(SOA)の重要性に改めて焦点が当てられた。
「もう音楽はほとんどテクノロジーと言っていい。変化のスピードは速く、ソーシャルメディアの影響も受けている」── こう話すのは、音楽の配信権を管理する非営利団体、Broadcast Music Inc.(BMI)でビジネスオペレーションとテクノロジーを統括するジム・キング上級副社長だ。
音楽業界ほどデジタル化の波に揺さぶられている業界はないだろう。かつてレコードはCDに取って代わられ、それもiPodが登場すると瞬く間に景色が一変してしまった。今やネット配信が主流だ。BMIが著作権使用許諾のライセンスを与えている放送の世界も同様で、米国ではPandoraのようなインターネットラジオが人気を集めている。デジタルメディアらしく、好みに合わせた曲が再生されるレコメンデーションサービスが多くのスマートフォンユーザーを引き付けている。
楽曲再生のデジタル化と多様化が進む中、作詞・作曲家やレコード会社といった著作権所有者の委託からスタートし、利用者へのライセンス供与、放送のトラッキング、そして使用料の徴収と分配に至る一連のバリューチェーンを効率良く運営していくのがキング氏の役割だ。委託されている楽曲は750万、徴収する著作権使用料も年間90億ドルに上るという。
BMIではIBMのInfoSphereやCognosを利用し、例えば、Pandoraから放送された曲の膨大なデータを受け取り、データウェアハウスに格納、レポート作成と使用料の分配を処理しているが、楽曲に関連したビジネスサービスのハブとしてSaaSやPaaS、DaaS、BIaaSも提供したいと考えている同社にとっては、次世代のプラットフォームが不可欠だった。
次世代プラットフォームのデザイン原則としてキング氏が掲げたのは次の4つだ。
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