「音楽はテクノロジー」── SOAで変化の波を乗り切る放送音楽協会IBM Impact 2013 Report(2/2 ページ)

» 2013年05月01日 08時15分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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 BMIが扱うデータも複雑性を増してきている。今や楽曲を再生したスマートフォンの位置情報もあれば、友だちとのシェアに関する情報もある。今、何が流行っているのかを洞察として作詞家に提供することも求められるという。

 「音楽とテクノロジーは融合し、絶え間なく変化していくだろう。そんな中でもわれわれは、著作権保護を通じてリーダーシップを発揮し、創造性を守ることに貢献していきたい」とキング氏は将来を見据える。

SOA導入企業は勝ち組

IBMのロバート・ルブラン上級副社長

 デジタル化の波に翻弄されないため、そして、変化を機会として捉え、さらに成長していくためには、BMIのように、SOAを基盤とした柔軟な情報システムの構築と、それらの機能をビジネスサービスとして顧客にも提供していく仕組みが欠かせない。

 「根底には優れたデザイン、すなわちSOAを据えるべきだ」と言い切るのは、IBMでミドルウェア事業を統括するロバート・ルブラン上級副社長だ。

 ご存じのようにSOAのアプローチでは、再利用可能なモジュールを疎結合で組み合わせながらシステムを構築していく。プロセスの一貫性が保たれ、既存のバックエンドシステムとも接続しやすい。業界標準をベースとしているため、エコシステム全体のプラットフォームとして提供することもできる。

 「SOA導入企業には大きなアドバンテージがある。顧客と緊密なつながりを築けるモバイルやソーシャルを柔軟に組み合わせ、新しいビジネスプロセスをつくり、これまでのパラダイムを変えることができるからだ」とルブラン氏。

 調査会社のIDCによれば、モバイルアプリケーションのためにSOAサービスを利用すると回答した企業が52パーセントに上ったという。

 初日のジェネラルセッションに登場したTargetも、より良い顧客体験を提供するため、SOAのアプローチを採用し、店舗、コンタクトセンター、そしてスマートフォンのアプリケーションは再利用可能なサービスを呼び出す仕組みに変えている。

 「モバイルがさらなるSOA導入の契機になるだろう。新しいテクノロジーが登場するたびに情報システムを作り直してはいられないからだ。どんなテクノロジーも優れたデザインが欠かせない。デザイン、デザイン、デザイン、これがすべてだ」とルブラン氏はSOAの重要性を改めて強調した。

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