日本企業のグローバルIT戦略、アジアに比べて遅れ――アクセンチュア調査

日本企業はアジア企業と比較し、グローバルでの事業展開を支えるITインフラ整備が遅れているという調査結果をアクセンチュアが発表。

» 2013年07月31日 18時24分 公開
[ITmedia]
photo アクセンチュアの石川雅崇氏(経営コンサルティング本部 セールス&マーケティンググループ統括 マネジング・ディレクター)

 アクセンチュアは7月31日、日本企業の海外進出に関する調査結果を発表した。日本企業は海外進出によって期待通りの成果を得られていない場合が多く、その要因の1つとして、グローバルでの事業展開を支えるITインフラの整備に遅れがあると指摘している。

 調査は、アジア太平洋地域を拠点とする大企業(年間収益2億5000万ドル以上)のグローバル担当役員249人に対して実施した。「過去3年の国外での収益/利益が期待通りだった」という回答は、各国平均28%に対して日本は12%と低い結果に。トップの中華圏(37%)と比べると25ポイント下回っていた。

 日本企業が海外進出で成功するための要素として、同社は(1)グローバルでの明確な戦略構築、(2)進出先マーケットでの差別化、(3)グローバルオペレーティング基盤の構築、(4)人材育成と各国文化の導入――を挙げる。中でも、日本企業がアジア企業と比べて遅れている要素が、グローバルオペレーティング基盤の構築である。

 「複数の国/地域でのオペレーションを支えるITインフラを配置している」という回答は、アジア企業平均の30%に対して日本企業は16%という結果に。「日本企業はアジア企業と比べ、グローバル事業を支えるIT基盤が整備されていない現状が浮き彫りになった」と同社の石川雅崇マネジング・ディレクターは指摘する。

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 石川氏によると、日本企業のITインフラ整備が遅れている原因の1つは、M&Aを通じての海外進出が増えていることだ。「買収した企業とのITインフラ統合などに困難を感じている場合が多い」(石川氏)。そこで今後、日本企業のITインフラの整備に対する投資が加速すると同社は見込んでいる。

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