Windows XPから「気持ち良く」移行するには?(2/2 ページ)

» 2013年08月20日 08時00分 公開
[ITmedia]
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チャンスと思えるか

 まずメリットとして期待できるのは、PCが最新環境になることでの業務効率の向上だ。あるユーザー企業のIT担当者は、「当たり前だがハードウェアやOSの進化で、ここ数年のPCリプレースでは社員から『サクサク動いて良い』という評価ばかり聞かれる」と話す。起動時間が早くなる、アプリケーションがフリーズすることがないといった変化は一見すると小さく映るが、毎日の業務においては移行による効果として無視できない。

 また、スマートフォンやタブレット型PCといった多様化するフォームファクタ、あるいは仮想化技術やセキュリティ対策、ワイヤレスブロードンバンドを組み合わせれば、オフィスに縛られないモバイルワークやテレワークを安全な形で実現していける。働きやすい環境にして優秀な人材の獲得や維持を図ったり、外回りの多い社員における時間の無駄を減らす、あるいは大規模災害における業務継続を確保したりといった、さまざまな効果を生み出すだろう。

 こうしたメリットを得るためのコストや手間は、当然ながら企業が期待する度合いによって変わってくる。既に移行を進めている企業(主に大企業)では、インフラや業務アプリケーションも含めたITの新たな環境作りと位置付け、大掛かりな投資を行って組んでいるところが多い。

あまりコストや手間を掛けられないという企業では、SaaSなどのクラウドサービスやパッケージなどを活用して初期コストを抑えるなど工夫している。「LibraOfficeのようなオープンソースソフトも一つの方法。実際に利用してみると、サポートにそれほど手間がかからず、コストも節約できる。使い勝手も時間が解決してくれる」(上述のIT担当者)という。

 XPのサポート終了は、企業にさまざまなチャンスもたらしているのは間違いない。「面倒だ」と避けていてもメリットが無いのは上述した通りだ。残り期間をたった8カ月にすするか、まだ8カ月もあるとするかは、企業がこのチャンスをどう生かしていくかによる。どう生かしていくか、生かしていくために手順をどうするか――いまがそれを判断する絶好のタイミングだろう。

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