ただ、Microsoft社内からは開発コード名「Threshold(スレッシュホールド)」というWindows 8.1の次世代OSの開発が進んでいるという噂も聞こえている。Thresholdがどのようなものになるのかまだ分からない。もしかすると、Windows 8.1 Update2の機能を指しているのかもしれない。
ここからは筆者の予想も入いるが、Build 2014で同社が見せた機能はWindows 8.1 Update2として提供されるのではないだろうか。同社としては、とにかくWindows 8.1を既存のユーザーにとって使いやすくすることで、Windows OSのユーザーを減らさないようにしていく必要がある。さすがに、こうした状況下で新しいWindows OSをリリースしてアップデート料金を取ることになれば、多くのユーザーや企業から批判を買ってしまいかねない。
次期OSを称されるTresholdのリリースは、早くても2015年秋、もしくは2016年になると予測している。2016年だと、ちょうどWindows Vistaのサポート切れのタイミング(2017年)に合うため、OS移行の促進につながるだろう。
Thresholdにおいては、Windows RTというOS製品が無くなるかもしれない。Build 2014ではWindows OSとプラットフォームを同じにしたWindows Phone 8.1(WP8.1)が発表された。
WP8.1ではUniversal Windows Appsというフレームワークにより、WP8.1でも、Windows 8.1でも、同じアプリを動かすことができる。開発者にとっては、100%同じアプリがWP8.1やWindows 8.1で動作するわけではないもののが、プログラムの80%が再利用できるため、開発にかかる手間は小さくなる。
実際にBuild 2014の発表を見ていると、WP8.1とWindows 8.1用のアプリを開発しても、手間はほとんどかからないようだ。将来的には、ゲーム機のXBOX OneでもUniversal Windows Appsが動作するようになる。
このような状況になれば、将来的にWindows RTはWindows Phoneに吸収されるかもしれない。Windows RTに関しては、Windows 8.1のアプリケーションが動作しないことや、OSの機能としてもWindows 8.1と同じではないため、“別のモノ”として認識されるようなブランディングが必要になるかもしれない。
例えば、スマートフォン向けなら「Windows Phone Powered By Windows RT」として、タブレットなら「Windows Tablet Powered By Windows RT」といった具合なら、ユーザーもこれらの製品とWindows 8.1を別のモノとして認識し、Windows8.1のソフトがWindows PhoneやWindows Tabletで動作しなくても、それほど文句は言わないだろう。
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