Windows OSのラピッドリリースやサブスクリプションモデルへの移行などを考えてみると、この先はWindows XPの移行時に起こったのと同じことが、数年単位のサイクルでやってくるようになるかもしれない。
これに対処していくためには、メールや個人ドキュメントなどは、クラウドもしくはファイルサーバをベースにしていくべきだろう。Office 365をうまく使えば、メールサーバなどはクラウドで利用して、ローカルデバイスにはデータを置かないといった方法ができる。また個人が作成したドキュメントも、Office365のSharePointなどを利用してクラウドに置くことができる。
個人が必要とするデータやドキュメントはクラウドに置くことで、クラウドをハブとして、PCやタブレット、スマホなどから自由にアクセスして、利用できる。このような環境になれば、将来的に新しいデバイス(例えば、Google Glassのようなデバイス)が出てきてもデータの一貫性を確保でき、データ移行の手間もかからなくなる。
企業が専用のアプリケーションを組む場合は、ビジネスロジックを処理するサーバとユーザーインタフェースを担当するローカルデバイスに切り分けていく必要がある。
例えば、サーバ側で多くの処理を行い、クライアント側ではユーザーインタフェースだけを担当するようになれば、クライアントOSが変わってもUI部分だけの開発で済む。また、デバイスが多様化してくれば、サーバ側にWebサーバの機能を追加して、HTML5などで記述されたWebアプリとして提供することも可能だ。
このような環境になれば、サーバ側を社内のデータセンターに置かなくても、クラウドに置くという選択肢も出てくる。
Windows XPのサポート切れという出来事は、企業にも大変な作業をもたらした。しかし、今後はこれをきっかけとして持続的かつ、発展性があり、管理コストの安いITシステムを利用していくことを企業の戦略として考える必要があるといえるだろう。
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