CAが統合型バックアップを投入、標準機能拡充でニーズ対応を強化

新製品の「CA arcserve UDP」では運用や仮想化、災害対策における多様なニーズに対応した各種機能を標準で提供する。

» 2014年05月13日 16時56分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 CA Technologiesは5月13日、バックアップ/リカバリソフトウェアの新製品「CA arcserve Unified Data Protection(arcserve UDP)」を発表した。現行3製品でユーザーニーズの高い機能を1つに統合・強化したもので、同時に製品ブランドも「ARCserve」から「arcserve」へ刷新している。

 arcserve UDPは、イメージバックアップソフト「ARCserve D2D」の後継となるもので、D2Dの機能に「CA ARCserve Backup」や複製ソフト「CA ARCserve Replication/High Availability」で提供する多くの機能も統合。これにより、サーバ単体から複数拠点や遠隔サイトを含む大規模環境までのバックアップニーズに単一の製品で対応できるという。

 会見したデータマネジメント事業部長の江黒研太郎氏は、「バックアップ環境を導入検討する国内企業のニーズを多数反映させた新製品。シンプルな運用や仮想化環境の保護、災害対策に求められる機能の多くを標準で提供する」と述べた。

 同氏によれば、イメージバックはOSを含むディスク全体のデータを保護するため、システム全体の復旧を短時間で行えるのが特徴という。D2Dでは初回のフルバックアップ以降に増分バックアップをすることでディスク容量を節約したり、異なる物理/仮想環境へ復旧するベアメタルリカバリなどが可能だったが、新製品ではiSCSI経由でのNASへのバックアップ、日次/週次/月次での柔軟なスケジュール設定が可能になり、従来は物理/仮想などで個別だった管理コンソールも1つに統合されている。

異なるシステム環境の管理が単一のコンソールから行える

 仮想化環境への対応の強化ではVMwareとMicrosoft Hyper-Vでエージェントレスによる仮想マシンの保護(従来はVMwareのみ)ができるようになり、物理/仮想環境の統合管理が行える。また、IT部門がバックアップ内容をメニュー化してシステムを利用する業務部門などに提示するといった、バックアップ運用の簡素化も可能だという。

 災害対策では重複排除技術を活用して遠隔サイトへ転送するバックアップデータの容量を節約したり、回線障害時に再送したりできるようにしたほか、本番サイトと遠隔サイトでそれぞれにバックアップデータの世代管理ができる。万一の際に、同一サイトや遠隔サイトで仮想サーバからシステムを迅速で自動復旧する機能も標準でサポートする。また、クラウドバックアップサービスなどを提供する事業者向けにマルチテナントでの運用を支援する機能も用意された。

 arcserve UDPではワークステーションから大規模環境向けまで5つのエディションをラインアップする。6月9日に出荷を開始する。

エディション別の主要機能の違い

 なおarcserve UDP発売に合わせて、ARCserve Backupはr16.5 SP1に、Replication/High Availabilityはr16.5 SP3にそれぞれバージョンアップされた。

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