Facebookの全投稿を解析して性格判断するAIツール「Five Labs」

「Five Labs」は、ユーザーがFacebookにこれまでに投稿したメッセージで使った単語を解析することで、そのユーザーの性格を解析して5因子モデルのレーダーチャートで表示するWebツールだ。

» 2014年06月12日 14時07分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米新興企業のFive.comは6月10日(現地時間)、Facebookへの投稿データに基づく性格判断ツール「Five Labs」を公開した。

 Five Labsのページで自分のFacebookアカウントへの接続を許可するとFacebook APIを介して過去の投稿の解析が始まり、数秒でパーソナルプロフィールが表示される。

 five 1 日本語は解析の対象ではないとみられるが、一応結果は表示される

 このツールは、米ペンシルベニア大学の主任研究員、ハンセン・アンドリュー・シュワルツ博士が開発した人工知能ツールをベースに開発したもので、投稿で使われている単語から個人の性格を判断するというもの。パーソナルプロフィールは、心理学の性格分類の1つである5因子モデルの5つの特性をレーダーチャートで表示する。5つの特性とは、Neuroticism(神経症傾向、情緒不安定性)、Extraversion(外向性)、Openness(開放性)、Agreeableness(調和性)、Conscentiousness(勤勉性)。

 Five LabsではFacebookで公式アカウントを持っている著名人の性格分析も可能で、例えばFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOの分析結果は以下のようになる。

 five 2 ザッカーバーグCEOは開放的ではあるがあまり外向性はないようだ

 バラク・オバマ大統領の場合は、非常に勤勉で開放的であり、情緒も安定しているが同調性は低いという結果が表示された。

 five 3 オバマ大統領の分析結果

 また、友達についても分析でき(公開されている投稿に基づく)、他のユーザーと自分の分析結果を重ねて比較することも可能だ。

 Five.comのニキータ・ビヤーCEOはこのツールを公開した目的を、ソーシャルサービスが収集した個人情報からどれだけ個人を分析できるかをデモンストレーションしたかったからと説明する。

 ビヤー氏は、Facebookが最近人工知能研究ラボを立ち上げたことやGoogleが人工知能研究企業のDeepMindを買収したことに触れ、これらの企業が蓄積した個人データの解析に注力していると指摘する。

 Five.comはそうした企業と異なり、このツールではユーザーの個人データは保存せず、パーソナリティプロフィールを作成した後はユーザーの投稿を削除しているという。

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