2015年秋からスタートする「番号制度(マイナンバー)」とは何ですか?マイナンバー・企業の対応と注意点(2/4 ページ)

» 2014年09月04日 07時00分 公開

番号制度導入により何ができるか

 番号制度の導入により、実際にできることについて「個人番号の利用」「他情報保有機関への情報提供」という2つの観点で説明します。

※「情報保有機関」とは、番号法第19条7号の別表第二に定められた、特定個人情報(個人番号やそれに代替する符号等を含む個人情報)の提供や照会が行える組織

1.個人番号の利用

 これまで行政機関・自治体等では住所や氏名等による本人確認を行っていました。番号制度導入後は、個人番号による本人確認ができるようになり、行政機関・自治体等では、本人であることの確認作業に係る負荷が軽減されます。なお、個人番号を証明する手段として全国民に通知カードが配布され、さらに希望者には個人番号カードが交付されます。個人番号カードは顔写真付であるため、申請者の個人番号の真正性の確認だけでなく、申請者の身元確認に係る効力も有しています。

例:住民税賦課事務における、個人番号による本人確認の運用イメージ(図1)

 現在、各自治体は住民税賦課事務において、国税庁・税務署、企業、年金保険者、住民から提出された確定申告書、給与支払報告書、年金支払報告書、申告書の氏名、住所等の4つの情報に基づいて名寄せを行い、所得情報等の住民税賦課にあたって必要な情報を把握しています。

 しかし、名寄せ作業では各申告書に記載された氏名や住所において、結婚等による氏名の変更、引越しによる住所変更、漢字の字形の差異(例:「高」と「はしごだか)」の字形の差異)、住所の記載内容の違い(例:「○丁目×番▲号」と「○-×-▲」の差異)等によって、同一人であることの識別は容易ではありません。場合によっては申告書を提出した機関への確認を行うため、名寄せ作業には多大な作業時間を必要としています。

 番号制度導入後は、各機関から提出される申告書に個人番号が付記されることから、各申告書が同一人であることの識別作業が容易になり、場合によっては業務システムでの自動処理による判定も可能となることも想定されます。

図1・個人番号による本人確認の運用イメージ、出典:内閣官房「番号制度の概要」

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