「日本のサーバ市場はまだ伸びる」 IBMから事業継承のレノボ新会社が始動

IBMからx86サーバ事業を継承したレノボ・エンタープライズ・ソリューションズが本格的にビジネスをスタート。ラピン社長は、「PCと同様にx86サーバ市場でもシェア拡大を図る」と宣言した。

» 2014年10月02日 15時43分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 レノボ・ジャパンと日本IBMは10月2日、1日付でIBMからx86サーバ事業を継承した「レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(LES)」の設立記者会見を都内で開催した。ロードリック・ラピン社長は、「世界のx86サーバ市場でシェア14%を持つ第3位の会社として日本市場でのさらなる成長を目指す」と語った。

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ取締役の小林氏、ラピン氏、瀧口氏(左から)

 LESはLenovoの100%出資子会社として6月に設立。LenovoによるIBMのx86サーバ事業の買収が10月1日にほぼ完了(一部関係国では当局の認可待ち)に伴い、営業活動を開始した。ラピン氏はレノボ・ジャパンおよびNECパーソナルの社長職を兼務する。取締役にはレノボ・ジャパン常務の瀧口昭彦氏(兼務)と日本IBMから小林泰子氏が参画。13億円を投じて東京・秋葉原のUDXビルに本社を移し、ソリューション検証センターやデモンストレーションセンターも併設している。

2社の協業内容と製品ロードマップ(右)

 ラピン氏は、「日本のx86サーバ市場は安定している。これまでのシェアは低く、このまま甘んじているつもりはない」とコメント。PC事業ではNECとの協業が好調に推移しているとし、x86サーバ事業でも「卓越したIBMの開発能力とLenovoのオペレーション能力が融合することで、日本市場で継続的な成長を達成できる」と強調した。

 同氏は、今回の施策で最も懸念された点が「保守・サポートに対する顧客の不安」と話す。保守・サポートについて今後5年間はこれまで通り日本IBMが提供する。説明会で日本IBM GTS事業本部 TSS事業統括担当 執行役員の谷川俊哉氏が、「24時間体制による世界標準の保守サービスを今までと変わりない」と改めて説明した。

5年間は日本IBMが保守サービスを提供する

 日本IBM システム製品事業本部長 常務執行役員の武藤和博氏は、IBMの技術開発力とレノボのスケールメリットの組み合わせによって、これまで以上に広範かつ包括的なソリューションが提供されると語った。

 ラピン氏は、注力ソリューションとして2015年7月にサポートが終了するWindows Sever 2003の移行とクラウドコンピューティングを挙げた。両分野ともLESとパートナー各社によるエコシステムが活動しており、「既に顧客へ提供、実装できる状態」とスタートアップの速さも強調した。

Windows Sever 2003の移行やクラウドサービスにおけるエコシステム

 説明会にはインテル執行役員営業本部長の大塚桂一氏、日本マイクロソフト執行役コンシューマー&パートナーグループOEM統括本部長の金古毅氏、レッドハット社長の廣川裕司氏、ヴィエムウェア社長の三木泰雄氏も駆け付け、LESの本格的な事業開始に祝辞を述べた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ