クラウド上のデータ管理に難あり、IT担当者の悩み実態は?

企業でのクラウド活用が広まる中、IT担当者による機密情報の管理や統制が難しくなっている状況が浮き彫りになっている。

» 2014年11月06日 11時55分 公開
[ITmedia]

 企業におけるクラウドコンピューティングの利用が広がりをみせる一方、クラウド環境に保存されているデータの44%はIT部門による管理や制御ができない状況にあるという。米セキュリティ企業のSafeNetが実施した調査でこうした状況が明るみなった。

 同社は調査機関と合同で日本を含む世界各国のITやセキュリティの専門家1800人以上に調査を行い、「The Challenges of Cloud Information Governance : A Global Data Security Study, Ponemon Institute LLC, October 2014」と題するレポートを10月下旬に発表した。

 それによると、クラウド上の機密情報の保護に関する役割や責任を明確にしている企業は38%にとどまり、71%は従来のセキュリティ対策では保護が難しいと回答した。

 クラウドが重要だという回答者は71%に上り、78%は今後2年も引き続き重要であるとした。回答者の企業においてクラウドで処理している案件は平均33%に達し、2年後は同41%に増加するという。また、導入されたクラウドサービスの半分はIT部門以外の部門が行っていた。クラウドに保存されているデータのうち平均44%はIT部門以外が管理や制御を行っていることも分かった。IT部門が全てを確実に把握しているという回答は19%だった。

種類別にみたクラウド上に置かれたデータとリスクを抱えているとした割合:世界平均(SafeNetより)
種類別にみたクラウド上に置かれたデータとリスクを抱えているとした割合:アジア太平洋地域の平均(同)

 クラウドのデータ保護における対策では、43%がプライベートネットワーク接続を使用を挙げ、39%が暗号化やトークン化などを利用しているとした。しかし、自社のセキュリティ対策を把握していないという回答も33%あった。

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