ロックダウン型のウイルス対策ソフトの最新版「Trend Micro Safe Lock 2.0」では「書き込み制御機能」などを新たに搭載した。
トレンドマイクロは1月7日、パターンファイル不要のロックダウン型ウイルス対策ソフト製品「Trend Micro Safe Lock」(TMSL)の最新バージョンを発表した。制御システムやPOS、ATMなど稼働重視の専用システムやレガシーOS環境での安全性や運用性を向上させる。
TMSLは、システムの機能制限、リソース制御やアクセス制御などにより、特定用途のシステムを使用できるようにする「ロックダウン」機能を持ったウイルス対策ソフト。制御機器や組み込み機器などクローズド環境にある特定用途の端末を保護する。通常のウイルス対策ソフトのように、大容量のパターンファイル読み込みやウイルス検索の影響でシステムパフォーマンスを低下させることがなく、パターンファイル更新に伴う動作検証も不要。安定稼働が重視されるシステムで導入されてきた。
また脆弱性攻撃対策機能も搭載し、USBメモリなどの外部記憶媒体やネットワークなどを介して行われる脆弱性攻撃、実行中のプロセスに対する攻撃を防止する。修正プログラムが提供されないサポート切れの古いOSを搭載したレガシー端末のセキュリティ対策としても有効になる。
新バージョンのTMSL 2.0では「管理コンソール」と「書き込み制御機能」を新たに搭載する。管理コンソールは集中監視、代理ウイルス検索、原因分析などの機能を実装し、管理下にある端末の集中監視や、検知したインシデントの管理者への通知が可能。代理ウイルス検索機能で、システムの起動をブロックしたファイルが不正プログラムかどうかを管理コンソール側でチェックし、対象端末内の当該ファイルを管理コンソール側から削除、隔離することできる。従来の手動で行われていたファイルの健全性確認や削除などの作業を省力化する。
「書き込み制御機能」は、端末に導入するエージェントを利用して不正プログラムや誤操作によるファイルの改ざんを防止する。これにより、正常な稼働に必要な重要ファイルの健全性を維持する。
TMSL2.0の提供は1月26日から。製品ラインアップと新規購入での参考標準価格は、「スタンダード」のクライアントOS向けが1万1400円、同サーバOS向けが10万6200円、エージェントのみの「ライト」のクライアントOS向けが9880円、同サーバOS向けが9万7200円。
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