Microsoftが新年早々に次期Windowsの「Windows 10」に関する発表を行うようだ。今回はイベントに先駆けてWindows 10や同社のビジネスモデルなどを予想してみたい。
2015年のリリースが予定されている「Windows 10」だが、1月21日にコンシューマー向けの機能紹介のプレスイベントが開かれることが昨年発表された。このプレスイベント後に、新しいテクニカル プレビューのダウンロードも開始されるようだ。そこで今回は、Windows 10の新しい機能やビジネスモデルなどを予測してみたい。
MicrosoftにとってWindows 8/8.1は、あまり良い思い出のないOSではないだろうか。ある意味、Vistaで痛い目にあった同社が大急ぎでWindows 7をリリースしたのと同じようなイメージを受ける。ただ、Windows 8/8.1のModern UIとタイルの表示は、急増しているモバイルなどへ対応するには必要な変更だ。それがあまりにもモバイルのインタフェースに振り過ぎ、既存のPCユーザーへのケアができていなかったというのが実状だろう。
こういった反省のもとに開発されているのがWindows 10だ。以前のレビューで紹介したように、Windows 10はデスクトップ上でModern UIベースのアプリをウィンドウによって動作させることができる。もちろん、2 in 1のノートPCなどでキーボードを切り離してタブレットモードにすれば、Windows 8/8.1と同じModern UIのスタート画面が表示される。このようにWindows 10は、デスクトップやノートPC、タブレットの2つのモードをうまく融合するにように開発されている。
こういったことを前提にすれば、1月21日のプレスイベントではコンシューマー向けのWindows 10においてWindows 8/8.1と全く異なるUIが登場するとは思えない。2014年9月末に発表されたテクニカルプレビュー版と余り変わらないだろう。
今回のテクニカルプレビューの注目点は音声認識システムの「Cortana(コルタナ)」が登載されることだろう。コルタナは、音声を認識するだけでなく、クラウド上の機械学習システムと組み合わさってユーザーのリクエストや質問に答えるシステムだ。昨年発表されたWindows Phone 8.1に登載されている。
コルタナは、AppleのSiriやGoogleのGoogle Nowと同じようなシステムと思われがちだが、よりOSやアプリケーションレベルで統合されている。つまり、音声でPCやアプリケーションを操作できる。以前の音声認識によるPC操作のように、OSのメニューやコマンド名を話しかけるのではなく、自然な会話で操作していける。例えば、メールソフトに対して「Aさんのメールを検索して返信する」といった語り掛けをすることで操作が行われるし、もちろん、返信文の内容も音声で入力できる。
現在のコルタナは、米国、中国、英国でβ版が提供され、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、オーストラリア、カナダ、インド(英語)ではα版が提供されている。日本語でのサービスに関しては不透明だ。Windows 10のリリースと同時提供は難しいだろう。できれば、年内ぐらいには日本語版のβ版サービスとしてでも提供してほしいものだ。
もう一つ注目されるのが、Skypeの翻訳サービスだ。Windows 10にはSkypeのクライアントが標準でバンドルされると思われる。Skypeの翻訳サービスは、コルタナなどで使われている音声認識システムとBing翻訳サービスを組み合わせて、リアルタイムに音声をテキスト化してクラウドで翻訳して、さらにSkype上の音声合成システムで現地の言語で話してくれる。
Skypeの翻訳サービスは、現在プレビューとなっており、英語とスペイン語の翻訳のみに対応している。今後は各国語の翻訳に順次対応していく予定だ。
また、コンシューマー版の機能としてXbox OneやXbox 360などで利用されているXbox Liveの機能がWindows 10でもサポートされる。セカンドスクリーンのSmartglassもWindows10で利用できるようになるかもしれない。これ以外にも、新しいInternet ExplorerやWindows Media Playerなどの機能も紹介されるだろう。
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