設計でも営業でも使える「3D PDF」の可能性、キヤノンITSが制作サービス

3D CADなどのデータをPDF化して利用できるサービスを新たに始める。回転や拡大・縮小、色分けなどの操作が自在にできるため、設計以外の分野でも活用できそうだ。

» 2015年04月07日 12時18分 公開
[ITmedia]

 キヤノンITソリューションズは4月7日、3次元CADなどのモデルデータ(3Dデータ)からPDF形式のドキュメントファイルを作成するサービスを開始した。汎用的なPDFビューワ上で回転や拡大・縮小、動画再生といった操作が自在に行え、設計分野以外でも活用が期待される。

 3Dデータは、これまでCADソフトを利用する設計や製造部門で主に利用されてきたが、CADソフトがない場所では、元のデータからコンテンツを再制作しなければならないなど、利用が難しかった。同社によれば、3DデータをPDF形式で利用できるようにする取り組みが広がっており、PDF形式でデータを出力するソフトなども登場し始めている。

 PDF形式の3Dデータを利用することで、例えば営業シーンでは電子カタログ上で商品の立体画像を表現することで訴求力が高まるという。サポートなどでは担当者が電子マニュアル上で製品の内部構造や動作などを把握しやすくなる。この他にも教育や商品企画、都市や住宅の計画の検討、自然災害のシミュレーション再生による啓発といった様々なシーンに利用できるという。

デジタル複合機のサンプルデータによるイメージ。360度回転させたり、アニメーション再生も可能。PDFが使えるデバイスならどこでも手軽に扱える

 同社のサービスでは3D PDFドキュメントを高品質に制作できるノウハウや人材を豊富に抱えており、データのやり取りなども安全にできる高度なセキュリティレベルが特徴だという。

 利用参考価格はA4シート1枚相当のデータで8万円から。関連サービスで3年後に3億円の売上を見込む。将来はクラウドサービス化やパッケージ製品化なども予定する。

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