「信用できるなら個人情報を売る」は56% IoT時代のプライバシー意識は?

「モノのインターネット」への注目と同時にセキュリティやプライバシーへの懸念も高まりつつある。金銭と引き換えに個人情報を提供する人は半数を超えた。

» 2015年04月27日 13時20分 公開
[ITmedia]

 トレンドマイクロトレンドマイクロは4月27日、セキュリティやプライバシーに関するユーザー意識調査の結果を発表した。「モノのインターネット(IoT)」に対して多くのユーザーが懸念を抱いているが判明した。

 調査では全回答者が、PCやスマートフォン、タブレット、スマート電力メーターといったスマートデバイスを利用もしくは利用予定と答えた。セキュリティとプライバシーではセキュリティを懸念する回答者80%)が目立つ。セキュリティへの懸念は、日米欧の3地域では日本が83%で最も高い。

懸念するもの 全体 米国 日本 欧州
セキュリティに関する懸念 80% 75% 83% 82%
プライバシーに関する懸念 52% 44% 49% 62%

 また、47%の回答者がこの5年で懸念が増したと答えた。その理由ではモバイルデバイスの利用や、情報漏えいの被害、ソーシャルメディアの利用などが挙げられ、日本ではモバイルデバイスやソーシャルメディアの利用が大きな要因になっているという。一方、米国では情報漏えいの被害、欧州では政府による監視を挙げた回答者が多く、実際に発生したセキュリティやプライバシの侵害事件などが引き金となっているようだ。

懸念を抱くようになった理由
理由 全体 米国 日本 欧州
情報漏えいの被害を受けた 61% 73% 55% 56%
個人情報が第三者に共有されている 49% 59% 40% 49%
モバイルデバイスの利用 63% 53% 69% 66%
ソーシャルメディアを利用 53% 46% 63% 50%
政府による監視 23% 19% 11% 39%
知人が情報漏えいで被害に 13% 16% 6% 18%
位置情報を利用する機器 15% 15% 21% 9%
モバイル決済の利用 12% 14% 13% 9%
アカウント乗っ取りで被害 7% 11% 6% 5%

 個人情報について、相手が信頼できるなら金銭と引き換えに提供しても良いとした回答者は56%に上った。金銭に関係なく提供しないという回答者は36%。回答者が自身の個人情報の価値は平均1965円で、最も価値が高いとした回答者は、ID・パスワードの価値が7584円(平均)とした。米国の回答者は日本のマイナンバーにあたる社会保障番号の価値を平均5568円としている。

 具体的には、自身の健康情報では平均5983円、決済口座・番号情報では同3602円、位置情報(GPS)では同1611、メールアドレスでは同797円、ブラウザ設定および履歴では同710円などだった。

 調査は2014年12月に実施し、1903人(米国744人、日本595人、欧州564人)がアンケートに回答している。

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