自分の強みをキャリアに生かす方法とは? 才能の“専門家”に聞いてみた今日から自分プロデュース!(3/3 ページ)

» 2015年04月30日 08時00分 公開
[伊藤利江子ITmedia]
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レアな強みをもったメンバーを迎えて、変化に強いチーム作りを目指そう

森川: また、マネージャーとして重要なのはチームのバランスですね。自分の強みが分かったら、チーム全体で自分と似た思考のメンバーで固まっていないかをチェックしましょう。

伊藤: え、それはなぜですか?

森川: 似た考えを持った人で集まると、感覚が合うので議論が進みやすいのですが、盲点に誰も気が付かないといった弱点もあります。急な状況の変化にも対応しにくい。あまりにもばい菌が少ない環境で育つと、免疫力が弱いままでしょ。イメージとしてはそんな感じです。組織って、自分と似た人ばかりを周りに集めてしまう傾向があるんですよ。

伊藤: そして、組織としてグズグズな状態になってしまうと。

森川: そうですね。オススメはチーム内に一人でも、あまり人が持っていないような強みを持った人を意図的に配置するとよいです。例えばリスクが見える「慎重さ」、世の中のためになることをしたい「信念」、特別扱いや例外がないことを大切にする「公平性」や、過去の積み重ねに重きを置く資質である「原点思考」といった資質を持ったメンバーとか。世界的に見ても、こういった強みを持った人は少ないので貴重ですね。

「ストレングス・ファインダー」が共通言語になる世界

伊藤: 最後に、森川さんはストレングス・ファインダーの普及や啓発を行っていらっしゃいますが、将来的な目標はどのようなものですか。

森川: 究極的な目標は、自分の強みを理解してくれて、相談に乗ってくれる「ストレングス・コーチ」があらゆる人についている世界を作ることですね。まずは、家族に1人くらい34の資質を理解している人がいるという状態を目指したいです。

 資質についてお互いが理解していると、人の性質についての話が「○○さんはさ」ではなく「○○さんの達成欲ってさ」と主語が変わります。ストレングス・ファインダーで示される資質は、人それぞれが持っているステキな武器のようなもの。みんなそれぞれが武器の使い方について話している――そんなふうに資質がみんなの共通認識になるといい。

 私が運営している「ストレングス・ラボ」は、このストレングス・ファインダーを生涯にわたって何度も学べるプラットフォームになればいいと思っています。そして日本にもストレングス・コーチをもっと増やしていきたいですね。

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著者プロフィール:伊藤利江子

伊藤利江子

 2007年、野村総合研究所入社。公共部門のコンサルティング部署に5年間所属し、企業の人材マネジメントに関する調査等、人材関連の調査業務に従事する。その中で、NPO支援をしていたイデリアに出会いコーチングに興味を持つ。2012年より、IT企業や不動産会社を中心にエグゼクティブコーチングと組織変革のサポートを行っている。


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