ドライバーの生体情報を“安全運転”に生かす 東芝とIBMが協業

過度なストレスがかかる道路を避けた運行ルートの作成、生体センサーの情報にもとづく休憩の指示、睡眠データによるシフトの組み替えなどに対応する運行ソリューションの開発を目指す。

» 2015年05月14日 21時58分 公開
[ITmedia]
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 ドライバーのリストバンドから送信された生体情報を、快適で安全な運転に生かす――。東芝と日本IBMが、生体情報を活用した自動車運行管理ソリューション分野で協力することが分かった。2015年中にも欧州などで実証実験をスタートさせる。

 ドライブレコーダーやGPSなどの情報にドライバーの健康状態や生体情報を加え、集まったビッグデータを解析。その結果を、より安全で省エネルギーにもつながる運行管理ソリューションの開発に生かすのが狙いだ。開発したサービスは、運送会社やタクシー会社、保険会社などさまざまな企業に幅広く提供するという。

 これまで、運行管理ソリューションは車両に特化したものが多く、高品質なソリューションを提供するためには、ドライブレコーダーや天候、交通状況に加え、ドライバーの健康状態や運転時の生体情報といった、幅広い観点のデータが求められる。今回の実証実験は、こうした課題に対応した格好だ。

Photo ソリューションのイメージ

 東芝は、実証実験に先立つ予備調査を欧州などで実施。リストバンド型活動量計で収集したドライバーの睡眠状況や生体情報と、ドライブレコーダーで計測した道路交通情報についてビッグデータを解析し、この調査で得られた成果をもとに実証実験を行う。想定するのは、過度なストレスがかかる道路を避ける運行ルートの作成や生体センサーの情報にもとづく休憩の指示、睡眠データによるシフトの組み替えなど、生体データを加味したソリューション開発に向けた調査だ。

 日本IBMは、「SmarterPlanet」プロジェクトで蓄積された技術や知見で予備調査を支援するほか、2015年に開始する実証実験で必要となるクラウドやビッグデータ解析技術、プラットフォームなどのIT環境を提供する。

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