毎週3分、情シスドリル コレ1枚で分かる「IoTで変わるモノの本質」即席!3分で分かるITトレンド(2/2 ページ)

» 2015年06月29日 11時00分 公開
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IoTのビジネスチャンスは?

 IoTでモノの価値がサービスへとシフトする中、SI事業者(システムインテグレター)がIoTにビジネスチャンスを求めるとしたら、IoTを生かしたユーザーサービスの構築に貢献するか、あるいは自らがサービスを構築して提供することになるでしょう。

 ユーザーサービスの構築に貢献するには、IoTに固有の技術要件であるプロトコルやデバイスの特性を理解した上でのインフラ構築や、データを収集・分析するプラットフォームの提供、アプリケーション開発が考えられます。ただ、インフラやプラットフォームについては、それを実現するためのさまざまなサービスやPaaSが数多く登場している現状を考えると、それらをうまく組み合わせてアプリケーションサービスを構築することが主流になるかもしれません。

 アプリケーション開発については、業務部門主体で行われるでしょう。なぜなら、それが事業の競争力に直結するからです。そこでは、「ビジネスモデルの設計」「適切な技術やサービスの目利きと選択」「それらを組み合わせる技術」といった、“業務と技術を橋渡しするスキル”が求められるでしょう。

 また、このようなスキルを基に、自らサービスを提供することも考えられます。この時、特定のアプリケーションをサービスとして提供するか、あるいは、先に挙げたIoTを使うためのプラットフォームを提供するかの選択肢があります。

 例えば、長年ECサイトの構築を手がけてきた企業であれば、RFIDビーコン、あるいはデジタルサイネージなどをうまく利用できるECサイトを簡単に構築できるPaaS事業といった発想も生まれてくるかもしれません。

 IoTは、現実社会の出来事をデジタルデータに変換し、インターネットに送り出すプラットフォームです。インターネットに蓄積された、膨大な現実社会のデジタルコピーがビッグデータで、これを使って、現実社会の出来事を徹底してシミュレーションし、分析を繰り返して最適解を探ります。

 その結果は、情報提供や、機器の制御、モノに組み込まれたソフトウェアの更新といった方法で再び現実社会にフィードバックします。そして、さらにその結果を再びインターネットに送り出し、シミュレーションや分析を繰り返す――こんな仕組みが実現しつつあるのです。

 これは、サイバーフィジカルシステム(Cyber Physical System)と呼ばれています。詳しくは、「毎週3分、情シスドリル コレ1枚でわかる「IoTとビッグデータ」をご覧ください。

 IoTのビジネスを考える場合は、この一連のサイクルの中に自らを位置付けて考えることが大切になるのです。

著者プロフィール:斎藤昌義

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 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィールはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤリティフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


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